第94話 アイラちゃん


「ばか𠂇ァ.....そ冫なモノ......この世に居るはव゛......」


『「なぁ主人公、お前は今のうちにお経でも唱えといた方がいいぞ......まぁ呼吸ができればの話だがな━━」』



 俺はヤツを絞めている手を思いっきり持ち上げ、黒いオーラを纏った拳を構える━━。



「オ龴ヱの.....攻撃𠂇んか.....効くわιϯ無ɭ ɿだろうgッ━━」



 ホ゛コ゛ォ゛ッ━━!



「ウ゛カ゛ァ゛ッ......!」



 首を締めたままヤツの顔面を思い切り殴打すると首を絞められている所為で殴打の衝撃を逃すことが出来ず、壊れたバネのように顔が前後に往復した。



「ウ゛ッ......! כֿ゛お゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛......! っ......嘘だ......! 私の聖鎧を貫くなんtEッ━━!」



 ハ゛コ゛ッ! 


「い゛や......! や゛め━━」



 へ゛キ゛ッ! 



「や゛みぇ......」



ト゛コ゛ォ゛ッ━━!



「お゛ね゛劦゛.......」


『「サタナ・ストライク邪神ノ殴連撃」』



 ス゛ト゛ト゛ト゛ト゛ト゛ォ゛ォ゛ォ゛ン゛ッ━━!



「ク゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ━━!」



 俺が放った殴打の連撃はその圧倒的なスピードで空気との間に摩擦が生じて炎を纏い、顔面が血で一色に染まる龍崎に全て直撃して身体を焦がした━━。



「刍゛.......%$☆¥ガガ......სょ......しョƕ𠂇......」



 あれだけ無傷を誇ったヤツの鎧は白い輝きを失い炎によって煤だらけになっており、顔面から流れる大量の血が更に鎧を汚していく━━。



『「さぁかかってこいよ主人公......」』


「うぉぇ.....っ......こんなもの......《ラ・セイ久リッ┝゛・匕ー刂ん𠂊゛》!」



 呪文を唱えるとヤツの鎧から緑色の光を放ち、垂れ流していた血や腫れ上がった顔面がみるみる修復された━━。



「了ァ痛かったァ......♡ 初めてこんなにやられたかmOォ......惚れ直氵ちゃっtAァ......♡」



 ヤツは再び不気味な笑みを浮かべ、長い剣を地面に引き摺りながらこちらに迫る━━。



「多少は強くなったみたいだけどぉ......私のカロ速に追いつけるか𠂇ァ......? 《ラ・乜亻久刂ッ┝゛・ヱ匕゜夕キンシ》」



 シュッ......。



 ヤツは一瞬で姿と気配を消す━━。



「さぁて......私はどこに居るかˉ Ժˋぁ......? 血飛沫も飛ばない速さで斬り刻んであげʓ。━━! ラ・セイ久リッ┝゛・ア久゛......真の神聖なる光え......

 


 パシッ......。



『「あのなぁ......そう何度も同じ攻撃を喰らうと思うか? さっき散々見せてもらったお陰でテメェの行動パターンは完璧に読めるんだよ......《メイル・フィメイル・ストライク男女平等パンチ》!」』



 カ゛キ ィ゛.......! ス゛コ゛コ゛コ゛コ゛ォ゛ォ゛ン゛ッ━━!



「ん゛תʅ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ......」



 放ったパンチによってヤツの鎧には完全ヒビが入り、俺の拳にはヤツの骨が折れ内臓が破裂した感覚が伝わる━━。



「く゛そ゛ぉ......い゛た゛ぃ......なんで私の......攻撃が......」


『「さっきも言ったろ? パターンを読み切ったって......」』


「ばか......な......」


『「お前さぁ......主人公なのにやり込んで来なかったのか? 敵の弱点を探るにはまず相手に攻撃の全てを曝け出させてから隙や弱点を見つけるんだよ。自分を最強と豪語するならダーク○ウルやSEKIR○をトロコンしてから臨むか、のようにゲームを何度も何度もやり直して一点を極めるべきだったな━━」』




 俺は首を鳴らしながらゆっくりと龍崎に近づく━━。



「く......くるなぁ......!」


『「そうビクつくなよ、お前にはこれからゲームでも滅多に見ない事をやってやる━━」


「な.....なにを......する気だ......」















「戦闘中の追い剥ぎ━━」






「は.....?」



 ガシッ......!



「お前がさっき回復した時その鎧から回復魔法が発動しているのが見えたんだ。お前のその加護みたいな異常な耐久力と回復力はそのコスプレから恩恵を受けてるんだろ......?」


「そ......そんな訳......」


「もっとポーカーフェイスかませよ主人公。お前死にゲーだけじゃなくてアモン○・アスもやった方がいいぞ?」


「なによ......それ......」


『「つまり話をまとめると......お前が着ているコスプレ衣装を剥ぎ取って褌一丁にすれば、お前は晴れて無課金ユーザーの仲間入りってワケだ━━」』


「なっ......」



『「ぬおぁぁぁぁっ.......!」』



 ヘ゛キ゛ッ......へ゛キ゛へ゛キ゛ィ゛ッ.......!



「や......やめて.......!」



 俺は指に力を入れてヤツの鎧を思いっきり剥がし始める。

 やはり加護の所為なのか何なのか分からないが、そう簡単に剥がす事はできない。

 だが少しずつ......しかし確実に鎧にヒビが入って徐々に龍崎から剥がれ落ちる━━。



 ク゛キ゛キ゛キ゛ッ......! ハ゛キ゛ン゛ッ━━!



「そんな.....! 胸の鎧がっ......ひっ......!」


『「どうした? さっきまでの威勢文字化けが無くなってるぜ? キャラ作りも忘れたんか」』



 俺は間髪入れず奴が纏っている鎧を力ずくで更に剥がしていく━━。



「お願いっ......! もうこれ以上......私......んごぁっ......!」



 ハ゛コ ッ......!



『「囀るなよ......テメェはコレを剥がした後が本番だぞ。お前は人々を犠牲にして再生する便利な身体アレキサンドブラッドを手に入れたんだ、自ら専用の無限プチプチになってくれたなんてありがたい話だなぁ......」』


「ひっ......!」



 へ゛キ゛へ゛キ゛ッ......!



「や゛め゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ━━!」



 カ゛キ゛ン゛ッ━━! ボロッ......。



「そ......そんな.......私の......装備加護が......っ......」


『ウ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛━━!』



 奴を護っていた鎧は全て剥がれ落ち、地面には白いガラクタが残っているだけになった。

 そしてその所為なのかヤツの背後にいた女神の化身はのたうち回りながら煙のように姿を消し、それと同時に龍崎は気絶した━━。



 *      *      *




『「さて......こいつは後でケバブにするとして......」』







『ありがとう......黒羽真央くん......』



 邪神アイラはそう言うと半透明の姿で俺の前に現れ語りかける━━。



「良いって......君が居なければこうして復讐する事ができなかった......。本当に感謝してる━━」


『うん......でも僕だけの力じゃここまでできなかったよ。君の信念がここまでの結果を導いたんだ......』


「まだ終わってないけどな、こいつはまだ見ての通り五体満足の状態だ......この後肉骨粉にして地獄に出荷してやるさ。それより一つ聞きたいんだが━━」


『なんだい......? 僕がこの世界に来た理由かい......?』


「いや......










 もしかして俺のAV鑑賞とかエッチな性生活を全部見てた......?」




『......は?』


「だってさっき俺をずっと見てたって言ったろ? 四六時中見られてたとなるとそういった事だって見てたんだよな......?」


『き......君は一体何を言ってるんだ......!? 変態なのか!?』



 邪神は綺麗な顔を真っ赤にして俺に反論する。


 分かりやすい顔しやがって......コイツこんな綺麗な顔して本質は陰湿な覗き魔なのか!?

 そう思うと余計になんか腹立ってきた━━!



「変態はそっちだろうが! 俺がエロ動画サイト巡りしてたことも、エッチな本をレイに見つからないようにベッドの下に隠してた事も、レイと"あんな情事"をした事も全部陰で見ながら楽しんでたんだろ!?」


「エッ......そうなノ!? アイラ......コイツを先に呪い殺していイ━━!?」


『ち......違うから! そんな訳ないでしょ......!?』


「誤魔化すんじゃねぇこのムッツリが! 悪を司る邪神ならエロいことの一つや二つ言えるだろう!? 悔しかったらちったぁ答えてみろ! 答えられるよなぁ!?」












『その.....人間のお股のアレってあんなに大っきくなるんだね......。初めて見た......』









「......エ?」


『......ん?』








 ......え?







「ちょ......ちょっと待て......。お前だって異世界の邪神とはいえおしっこくらいした事あるだろ? その時に嫌でも毎回見るじゃんか!」


『そ......そんなの見た事ある訳ないじゃん! だって僕.....

.お股からそんな変なモノ生えてないもん......』






 ......は?

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