第24話 無慈悲な天使
「頼む......娘にだけは手を出さないでくれ! 私の大切な子供なんだ!」
教祖は太った醜い顔を涙と鼻水でグシャグシャにしながら俺に訴えかけてきた。
「ははっ......笑わせんなよ、お前は散々信者の子供に儀式と称して手を出してきたじゃないか。心配すんな、娘の悲痛なシャウトにお前もラッパーとしてコラボさせてやるさ」
俺は瑠衣子に近づき綺麗な茶髪に染めた髪の毛を引っ掴む。
「やめて......何をするつもり.....?」
「メイクアップだよ。昔俺にカツラ被せて今隣で挽肉になってるLGBTに犯させただろ? その時のオマージュさ━━」
「オマージュってどういうこ━━イ゛タ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!」
ブッチッ......グシャッ......!
俺は掴んだ髪の毛を生やしている皮膚ごと引きちぎった━━。
「ひっ......う......パパ......助け......キ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ッ!」
「瑠衣子ぉぉぉっ! 頼む! やめてくれぇぇ!」
「やめないよ。住所不定の自称天使による無慈悲な審判を受け入れろ」
俺は2人の悲鳴と懇願を無視してその後も瑠衣子の髪を皮膚ごと引き千切り続けた。
その結果頭部は血だらけになり、整えられた綺麗な髪は頭から一本も無くなった━━。
「良いね、髪型が親子でペアルックだ。そのスキンヘッド姿で涙の謝罪動画をアップすれば将来有名iTuberと結婚出来るんじゃないか? そしたら良い広告塔になるね」
「うぅ......私の......髪が......あぁぁ......」
「教祖様。たった今娘の毛で作ったヘアドネーションくれてやるからさぁ......頭に被れよ」
俺は教祖の元に向かい瑠衣子から引き千切った血だらけの長い髪の毛を教祖の禿頭に乗せる。
「その血だらけの長髪ウィッグにヒラヒラの白い衣装と倉庫には幻覚剤......まるでヒッピーだな。ねぇねぇ、ギター弾きながら愛とセックスを人々に訴えてみてよ」
俺が冗談を言うと教祖は顔を顰めて口を引き攣らせながら俺を責め立てる。
「き......君は仮にも天使なんだろ!? その姿になってまでこんな残酷な事をしたいのか......?」
「残酷か......よくぬけぬけとそんな事言えるねぇ。信者の子どもを無理矢理洗脳して犯す事は日常茶飯事、それだけじゃ飽き足らず信者の妻にまで手を出して何人も中絶させた挙げ句それを訴えてきた旦那達は自分のコネを使い、会社を首にさせて自殺にまで確実に追い込む。こんなムッソリーニなヅラ教祖と天使のコスプレしてるだけの高校生......一体どっちが残酷なんだろうな?」
「な、なんのことだ、私は知らないぞ! 証拠でもあるのか!? 無ければただの妄言だ!」
「惚けちゃダメだよ。この前案内してくれたあの豪華な部屋の金庫に御丁寧に全て仕舞ってあったじゃん」
「なに......!?」
俺は金庫から束になって保管されていた資料をその場にばら撒いた。
「ほらよ、その会社へ渡した金の流れを記載した記録に何十件もの不貞の内容証明と示談書だ。後こんなのもあったよ? とある政治家連中へ個人的に違法献金した記録。こんなものが世間に露呈したらアンタも政治家も終わりだ━━」
「それと......厳重にロックが施されている洗礼室に置かれてた電気が流れる怪しいヘッドギアと薬物も全て証拠として施設外に放り出してあるよ」
「そんな......」
「さて、そんな教祖様に習って俺もこれからアンタを洗礼してやるよ......《
俺は教祖に向けて手をかざす━━。
「なんだ......これは......喉が.......!」
「お前の体からあらゆる水分を奪っているんだ。身体に存在する60%の水分量に対して今は......5〜6%程度失っているかな、強い喉の渇きを感じるだろう? このまま行けば即身仏になれるじゃん良かったね!」
「かはっ......やめて......くれ......!」
教祖の顔色は今以上に悪くなり、完全な脱水状態で意識が朦朧としていた。
「救済を求めるにはまずお祈りでしょ? 次はお前が信者にしてた事をしてやる。《
鉄の十字架に向けて小さい雷魔法を放つと教祖の体はブルブルと震え出し有刺鉄線で縛りつけた手足を更に傷つけ深く抉っていく。
「ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛#¥$○・☆+$#!」
「水分を大量に奪ったから感電死するまで時間が普通より長くなるのに......まさか自分から更に血液を搾り出すとは流石だね。その内体が熱くなって発火するからそれまで存分に楽しんで━━」
「助けて......くだ......さい......たの......む! あ゛つ゛い゛い゛い゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!」
「信者の頭に電気流しといてよく言うよ、何のつもりか知らないけどアレの効果は精々記憶の欠落くらいで洗脳に全く効果無いからな。じゃあそろそろ地獄に出発の時間だ......レンジでチンしてやる━━」
俺は更に魔法を強めていくと奴の体から蒸気が発生し最後の断末魔を上げる。
「地獄で新しい宗教でもやれよ、但し抱けるのは金棒持った鬼だけだと思うけどな。じゃあねー」
「ヤ゛メ゛ロ゛ロ゛ル゛ル゛ル゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ......」
ボッ......!
「っ.......」
教祖の体は干からびた状態で自然発火しその後黒焦げに燃え尽きて火は消えた。
「そんな......パパ.......パパぁぁぁっ!」
「見事な即身仏......いや炭焼きになったな。明日のためにグシャグシャにせず燃やして正解だ、さて最後は君の番だね」
「いや......やめて......もう十分でしょ.......何でもするから助けてください! お願いします......!」
「おいおいいつもの怠惰な喋り方はどうした? もっと心にゆとり持っていこうよ。けど君を最後にしたのは正解だった、苦痛と恐怖に満ちた顔をこうして最後に拝めたんだ。《イグニス》」
「キ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!」
富田の時と同じように俺は瑠衣子の腹に『M.K』の文字を火で炙っていく。
こうすれば連続殺人で捜査をせざるを得ないからな━━。
「君も教祖と同じで跡形もなく殺すと今はまずいからな.....とりあえず形は保たせてやるよ、《
俺は槍と同じ要領で無数の微細な針を生成し宙に浮かべる。
その光景を見て瑠衣子はグシャグシャの顔を更に絶望した表情になる━━。
「ひっ......あの2人みたいに串刺しにするつもり......?」
「そう、アイアンメイデンしてやるさ......でも同じように
パチンッ━━!
俺が指を鳴らすと先程まで宙に浮いていた魚の大群のような針の集団は空間から消える。
「なに......? 手品でもしたつ━━うぉ.....うぉぇっ.....ゲホッ.......ゲホッ.......なに......コレ.......!」
瑠衣子が口から吐いたのはさっき俺が消したはずの針の一部だった。
「さっきの針だよ......外側は綺麗な状態を保ったままにして内側からズタボロにする。ほら我慢しないでいっぱい吐きなよ、食道に針が刺さって出てこないぞ?」
「は......かはっ.......うおぇ......オェェェッ.......イ゛タ゛イ゛ッ゛!」
ポトッ......グチャ......ポトッ......グシャッ......!
「まさに針千本飲ます状態だね。俺には手に取るように分かるよ......今お前の腎臓や子宮に至るまでの臓器と血管に少しずつ針の量が増えて身体の内側から傷付けている事が。今血管内に存在する針は流れを止めているけど俺の合図で流れ始め、至る所に刺さって激痛を味わいながら死ぬだろうがまだ殺さない......《
「ヤ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ.......オェェッ!」
俺は氷魔法を使い火傷で文字を記した皮膚を凍結させるとその部分の皮膚だけは紫色になり、血が通っていないように見える。
「お願い......ゲホッ......ゲホッ......もうやめ......いじめ......事は謝る......からぁ......」
「辞世の句はそれで良いの? まあ針が喉に詰まってちゃまともに話せないか。さて、お前にはまだ少し苦しんで貰いたいからじっくりいたぶってやる......《
教祖の時よりも若干弱い出力で雷魔法を鉄の磔に流すと瑠衣子の身体は電流によって教祖の時と同じようにガタガタと震える。
そして少しずつ、しかし確実に瑠衣子の体温は上昇していく━━。
「イ゛ヤ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ......」
「苦しいか? 俺も苦しかったよ......お前らにされた虐めや凌辱の毎日と挙げ句の果てに母の死すらもお前らには馬鹿にされたんだ。だからお前もお前の親父も俺と同じように死後も蔑まれ続ける存在にしてやる━━」
瑠衣子の身体からは教祖と同じように蒸気が出始め血液や内臓のタンパク質がゆっくり細胞死していくのを見届ける。
「ア゛......ア゛......タ゛ス゛......ケ゛テ゛......」
パチンッ━━!
プスッ......プスッ......
俺は指を鳴らして皮膚の下に仕掛けていた針を皮膚の外に一本一本ゆっくりと突き破らせてゆく━━。
「ア゛......ア゛ア゛......%°#+〒々〆#@○*×!」
瑠衣子は声にならない悲鳴を上げ、突き破られた皮膚から凝固しかけている血液が溢れ出す。
皮膚から銀色の針がプチプチとはみ出ている瑠衣子の姿はまさに
「う......あ.......っ.......」
「うぉぇぇ......蓮○ラみたいでなかなかグロいね、もうまともに喋れなくなったしそろそろ燃やすか。地獄で閻魔に犯されろ笛吹瑠衣子......じゃあねバイバイ━━」
「イア......アメ......ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ......!」
ボッ......!
「......」
この世の終わりが来たような悲痛な叫びと共に瑠衣子の身体は燃え続け父親と同じように黒焦げになった。
黒焦げになった坊主頭の顔をよく見るとまさに絶望を感じながら死んでいった苦悶の表情だった。
そして腹に書かれたあの文字は俺の氷魔法によって見事に守られていたため判別出来るレベルで形が残っていた━━。
「やっと2人目か......。さて、最後の仕上げと行きますか━━」
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