第3話家出少女との一夜②
「「ご馳走様でした」」
人の手料理って食べたの何年ぶりだろう。
「さてと、皿洗いは俺がやっとくから風呂にでも入ってきたら?」
「ありがとうございます…でも。」
あ~、着替えの問題か。どうしようかな。
「着替え買ってくるか?」
「良いんですか。」
「良いよ、お金は渡すから好きなの買ってきな。」
お金には困ってないし、良いだろう服ぐらい。
「何円位欲しい?」
「3万位いただけるとありがたいです。」
3万!?女性服はそんな高いのか?まぁ良いだろう、そんくらい。
「はい。」
そういって零に3万を渡した。
「ありがとうございます。」
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「おかえり〜。服は買えた?」
「はい。バッチリ。あっ、お釣り。」
そう言ってお釣りを渡してこようとした。
「いいよ、お釣りは。もっときな。」
「えっ。」
「持っときな家出してるんだろ。」
「どうして、そう思ったんですか?」
やばい地雷踏んだかも。
「俺も何回も家出してたからな。わかるんだよ家出してるやつの特徴くらい。」
「そう…ですか。私、お風呂入ってきます。」
「お風呂浸かり終わったら、栓抜いといてくれ。」
「わかりました。」
大丈夫かな。怒ってないよな。
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「上がりました。ドライヤーってありますか?」
そういえばドライヤーは買ってなかったな。
「スマンないわ。」
「わかりました。」
そう言うと持ってきたカバンの中からドライヤーを出した。
「そういえば服は、そのカバンの中に入れてこなかったのか?」
「寝間着を持ってくるのを忘れてしまいまして。外出用の服で寝るわけにはいきませんし。」
この感じを見るとおそらく零は家出初心者のようだな。
「俺は今からゲームするけど一緒にするか?」
暇を持て余しているようだったからゲームに誘ってみたがどうだろう。
「良いですよ。親の教育方針上そういうものに触れる機会がなかったですから。」
なるほど、家での理由はおそらくだが親の厳しい教育に耐えられなかったとかそんなところだろう。スマホを持ってないのもそのせいか。
「よし、やるか。」
俺が起動したソフトは結構メジャーなパーティーゲームだ。普段はCPUとやってたが今日は初の、人との対戦だ。
「負けないぜ。」
「お手柔らかにお願いします。」
結果から言うと惨敗だった。零はサイコロの最大値の6を出し続け、ミニゲームでは『本当に初心者か?』と感じさせるほどのキャラコンを見せた。
「ま…負けた。」
「案外簡単なものですね。」
気付けば時刻は0時を越していた。
「そろそろ寝るか?」
「そうしますか。」
けど、うちの家にはベッド一つしかないからな。
「俺がソファーで寝るから、お前はベッド使え。」
「ありがとうございます。」
そうして俺達は眠りへとついた。
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