AREA2-1
「ガロウッズの締枝」は柔軟性があり良くしなる茶色い枝だ。触った質感は木の枝だが、弄っていると枝と言うより太めの縄の様だ…これ一つあっても正直使い道は思いつかない。
【ストレージ】に仕舞って置こう。
………
……
…
《stage…select…》
《▷area1》
《▷area2 new》
黒い世界にいた。光一つ無い黒い絵の具で真っ白なキャンバスを塗りつぶしたかの様な世界に機械的なノイズ混じりの無機質な声が響いていた。
「…選ばなかったら…多分目覚めないだろうな…」
《▶︎area2》
知らないエリアだが…area1の樹木、ドロップから予測すると恐らく「ガロウッズ」を倒す手段が思いつかない。
樹木である以上銃やナイフで至難を極めるだろう事は想像に難く無い。
そう考える一縷の希望に縋ってarea2に向かった方がましだった。
《……log in…》
………
……
…
恐らくここは…
「廃…病院?」
こんな人口物の様なareaもあるのか…とは言え油断は出来ないし、多分ここに人は存在しない。
音が殆ど無い中、私の呼吸音とカツンカツンと言う音が歩く度に冷たく響く。
全ての電灯が点いてない訳はでは無く一部の電灯がチカッチカッっと、点いては消えてを繰り返すのが逆に不気味だった。ここに何が居るのかは知らないが恐らく碌な存在じゃ無いだろう。
…
……
廊下を進んで行くと後ろから走って来る様な音が聞こえた。
【ガンアクション】で銃を取り出し直様背後に振り向く。
【ガンアクション】の弾丸は一発につきマナを1使う。今撃てる最大数が四発である以上無駄遣いは出来ない。
背後から走って来ていたのは、身体中を突き破って絡まって氷の荊棘が巻きついている恐らく成人男性の死骸、もう一つ特徴があるなら胸から突き出ている1500mlペットボトルくらいの結晶…氷だろうか?
全身から冷気が出ている為霧掛かっている様にも見える。
ゾンビゲー宜しくヘッドショットでもしようかと思っていたが、良く見ると氷の荊棘が屍体に寄生している可能性が高い気がするので、胸から突き出た結晶を撃つ。
Bang!Bang!Bang!
引き金を三回引き、発砲する。銃声で他の敵が襲って来ないかだけが心配だ。
銃はそこまで得意じゃ無いが、何とか一発結晶に直撃し結晶が弾け飛んだ。
ゾンビは倒れ欠損した結晶からは水色の液体漏れ出している、氷の荊棘がわしゃわしゃと蠢いたあとピンと引き攣る様に伸ばして力無く倒れたのだがもしかしてあの結晶って寄生虫だったのか?
そうな事を考えていると、死骸が突如半透明になり消失した。
急に何が起こったかと思ったが、何と無く【ストレージ】に自動回収されたのだと理解する。
結構便利だな。
弾丸はあと一発しか無いが次に活かす為に慎重に進む事にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます