第4話

妹視点


今日はお兄ちゃんのお陰で、久しぶりに少しだけ体力が回復している。


「先輩、本当に課題をやって下さり、ありがとうございます!!」


「う、うん」

後輩は純粋に感謝の顔をして私を見ている。


本当はお兄ちゃんがやってくれたから、罪悪感が強い。


「私、先輩のお陰で過労死しなそうです」


「良かったね。これからも先輩に頼れる時は頼りなさい」

私はこんなことをつい口にしてしまう。


お兄ちゃんやって貰ったのに、


でも言ってしまうには理由がある。


私も新人一年目の時に、かなり地獄だった。今より(後輩の仕事を変わりにやられなければ)辛かった。


それなのに、今の後輩は、先輩達が仕事を辞めたことで、さらに仕事を押し付けられている。


「先輩、本当に、本当にありがとうございます」


なので、後輩の過労死も嘘じゃないし、ついつい、助けようとすると自分の命もなくなるかもしれないのに、あんなふうに言ってしまった。

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