ドラム

鎌田くんはドラムをやっている。


シュッとしてて、めっちゃカッコいい。


ある日の放課後。

なぜだか、うちは、鎌田くんと、教室で、ふたりっきりになっていた。


うちは、美術部に行こう~って思って、自分の机のあたりで、準備してた。


机の中に置いてあった美術の道具を持って、席を立ち、イスをひっこめた。


うちは、鎌田くんに


「じゃあ、うちは美術部行ってくるね~」

って言って、鎌田くんにバイバイ手をふった。


鎌田くんは

ピューッ

と、飛んでるみたいに、うちのところにやって来た。


そして、うちの胸を優しく軽く

ムギュッ

と、触った。


きゃああああああああ(/▽\)♪


何すんのーっ鎌田くんーっ


そしたら


「結構、胸もあるんやな」

って言っている。


あるわっ!失礼なっ!


うちは、もっと触ってもええよって思ってた。


でも、美術部に行こう~って思って、教室を出て行った。


廊下を歩きながら


ああいう時って、抵抗しないもんなんやな~って考えていた。

だって、触られるままにしてたもんな~。

そういうもんなのか...



美術部に行って、香絵ちゃんのとなりに座って絵を描きはじめる。


香絵ちゃんに、いきなり胸、触られたことを言おうかと思ったけど、やめておいた。


鎌田くんはエクスカリバーっていう高校生のバンドのドラマーだから


「こんど、いっしょに、エクスカリバーのライブ行ってみよう!」

って言ってみた。


香絵ちゃんも

「いいよ~」

って言ってくれた。



エクスカリバーのライブ会場。


めっちゃ混んでる。

すごい人気やなーっ!


ライブ始まった。


ドラムめっちゃカッコいい。


どんな感じにも、たたいている。


「なんで、あんなに、いろんな曲調に合わせて、いろんな感じに、たたけるんやろなー!すごいなー!」

って、香絵ちゃんに言ったら、香絵ちゃんも笑顔で、うなずいている。


「あのドラム、世界一いや宇宙一好きかも」

うちは、ドラムの演奏を観ながら、いきなり胸、触られたのを思いだしている。



翌日、教室に入ったら、鎌田くんもいた。


スティックで、机を

パカパカ

たたきながら、友達としゃべってる。


鎌田くんのほうを見ていたら、スティックを

クルクル

回転させながら、うちに合図して


「おはよー」

って、あいさつしてくれてるみたい。


うちは、ゴリラみたく、胸を

ポンポン

たたく、しぐさをしたら、笑ってる。


うちは、不思議と、また優しく触られたい気分だった。

なんでやろ?

そういうもんなのかな?


好きだから触ってくれてるのかな?


うちのこと好きだから...

きっと、そうや...


じゃなきゃ、わざわざ胸まで触らんやろ。


だから、うちは、もっと触ってくれて、ええよって思った。


もっと好きになってくれて、ええよってことかな?





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