ドラム
鎌田くんはドラムをやっている。
シュッとしてて、めっちゃカッコいい。
ある日の放課後。
なぜだか、うちは、鎌田くんと、教室で、ふたりっきりになっていた。
うちは、美術部に行こう~って思って、自分の机のあたりで、準備してた。
机の中に置いてあった美術の道具を持って、席を立ち、イスをひっこめた。
うちは、鎌田くんに
「じゃあ、うちは美術部行ってくるね~」
って言って、鎌田くんにバイバイ手をふった。
鎌田くんは
ピューッ
と、飛んでるみたいに、うちのところにやって来た。
そして、うちの胸を優しく軽く
ムギュッ
と、触った。
きゃああああああああ(/▽\)♪
何すんのーっ鎌田くんーっ
そしたら
「結構、胸もあるんやな」
って言っている。
あるわっ!失礼なっ!
うちは、もっと触ってもええよって思ってた。
でも、美術部に行こう~って思って、教室を出て行った。
廊下を歩きながら
ああいう時って、抵抗しないもんなんやな~って考えていた。
だって、触られるままにしてたもんな~。
そういうもんなのか...
☆
美術部に行って、香絵ちゃんのとなりに座って絵を描きはじめる。
香絵ちゃんに、いきなり胸、触られたことを言おうかと思ったけど、やめておいた。
鎌田くんはエクスカリバーっていう高校生のバンドのドラマーだから
「こんど、いっしょに、エクスカリバーのライブ行ってみよう!」
って言ってみた。
香絵ちゃんも
「いいよ~」
って言ってくれた。
☆
エクスカリバーのライブ会場。
めっちゃ混んでる。
すごい人気やなーっ!
ライブ始まった。
ドラムめっちゃカッコいい。
どんな感じにも、たたいている。
「なんで、あんなに、いろんな曲調に合わせて、いろんな感じに、たたけるんやろなー!すごいなー!」
って、香絵ちゃんに言ったら、香絵ちゃんも笑顔で、うなずいている。
「あのドラム、世界一いや宇宙一好きかも」
うちは、ドラムの演奏を観ながら、いきなり胸、触られたのを思いだしている。
☆
翌日、教室に入ったら、鎌田くんもいた。
スティックで、机を
パカパカ
たたきながら、友達としゃべってる。
鎌田くんのほうを見ていたら、スティックを
クルクル
回転させながら、うちに合図して
「おはよー」
って、あいさつしてくれてるみたい。
うちは、ゴリラみたく、胸を
ポンポン
たたく、しぐさをしたら、笑ってる。
うちは、不思議と、また優しく触られたい気分だった。
なんでやろ?
そういうもんなのかな?
好きだから触ってくれてるのかな?
うちのこと好きだから...
きっと、そうや...
じゃなきゃ、わざわざ胸まで触らんやろ。
だから、うちは、もっと触ってくれて、ええよって思った。
もっと好きになってくれて、ええよってことかな?
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