富士山

富士山の頂上付近で、白い霧の中、キスしてるなんて。


富士山も、うちら高校生に対して、可愛いこと、してくれますねぇ。


富士山も、なかなか、やってくれる。


修学旅行の高校生たちの登山途中で、幻想的かつ、めっちゃロマンチックな白霧を発生させてくれるなんて...


そんなん、キスしてまうやんかっ!


富士山のあちこちで白い霧の中、みんなキスしてるんちゃうやろかっ?って、思ってる、うち。


うちも、花奈ちゃんと、濃い霧の中、濃いキスをしてるよっ!!

抱き合いながら...



しばらくして


サーーーーーッ

と、白い霧は、風と共に去りぬ。


風とともに


ピューーーーーッ

と、吹き飛んで行ってしまった、白い霧。


うちは、花奈ちゃんと抱き合ってキスしてたけど、まわりのみんなも、それぞれ、だれかと

ワーワー!キャーキャー!

騒いでいる。


霧も晴れてしまったから...



そしたら


すぐ、そばで、香絵ちゃんも、しおりちゃんと抱き合っている。


さては...香絵ちゃんも...しおりちゃんと...キスを...してたんと...ちゃうやろかーーーッ?!


キャーーーーッ、香絵ちゃあああああん



香絵ちゃんも、うちに気付いて、めっちゃ笑顔で笑ってる。


顔、めちゃめちゃ紅いぞー!香絵ちゃあああああん


うちら4人で、走りながら、富士山を降りて行った。



5号目まで降りて行ったら、バスのところで、バスガイドさん、待っててくれてる。


「あ、バスガイドさあああああん」


うちは、バスガイドさんのとこに走って行く。


「おかえりー!あやなっちー!」

って言ってくれてるバスガイドさん。


「ただいまー!富士山、登ってきたよー!」


「なんだか、白い霧、出てたみたいですねー!」

って、バスガイドさん。


「そうなんですよー!...えへへ...」


「なに照れてるんですかー?」


「あはは...めっちゃ良き想い出の富士登山でしたよーーーッ」


「それは良かったですねーー」



高校にバスは到着した。


バスを降りる時、バスガイドさんは、うちに


「はいっ!あやなっちには、これプレゼント...」

って、うちに、可愛らしい紙袋を手渡してくれた。


「え?プレゼント?...なんですか?」


「下着よっ」


「え?...下着?」


「そうよっ!...うちの...」


「バスガイドさんの?...下着?」


「そうよっ!...うちの、はいてた...可愛い下着...」


「えーーーーっ?バスガイドさんの、はいてたやつーーー?」



うちは、自転車で、高校のグランドをクルクル

回ってる。


みんな、だいたいもう下校してた。


バスも

ブィーーーーーンッ


って、高校のグランドから帰りはじめてる。


うちは、自転車に乗りながら、バスガイドさんに手をふった。


バスガイドさんも笑顔で手をふってくれてる。

「ありがとうー!バスガイドさーん!ありがとう!富士山!」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る