悪役貴族の殺人のススメ
@yama44kas
第0話 人生のターニングポイント
自分の生まれを呪ったことがあるだろうか?
ない、と言い切れる人はそういないのではないだろうか?
私はままある。
生まれというのは非常に面倒なもので、親は好き勝手に決められるが生まれた側には与えられた中での自由しかない。
その癖子供が自分の思い通りにならないとなんだかんだと屁理屈を付けて癇癪をおこす。
別に、生まれてきたいと懇願したわけでもなく、ましてや家業を継ぎたいといったわけでもないのに平気で押し付けくる。
多くの医者の親は子供にも医者であれというし、難関大学を卒業したことを誇っている親は同じように子にその道を歩ませてくるものだ。
そして、私にはそれが古武道だった。
浅見流古流柔術とかいう古くは明治だか江戸だか戦国だか、とにかく古臭いというのが特徴みたいなものだ。
しかし、今や門下生は長男の自分のみの廃れに廃れたものを毎日毎日やらされいた。
周りが遊びに、ドラマに、ゲームに、恋に夢中になってる時もなんの役にも立たないものを朝早くおき、学校から帰った後も夜遅くまで磨き続けた。
そんな異常な人間は目を引くのが世の常なもので、高校の頃に初めて喧嘩を仕掛けられた。
と言っても相手は二個上で格闘技をやっちゃってる、なんか学校で有名なワルという奴だ。
しかし、何と言ってもそこは私。
うん千年だかの歴史がある殺人術の使いてで悪を許さぬ正義の武術家である。
私は自信と誇りをもって勇ましく啖呵をきって堂々と勝負をした。
次に記憶があるのは、病院のベッドの上だった。
自分の生涯かけてきた技も努力も、あの茶髪まじりのへらへらした面の男に何も通じずボコボコにされていた。
次の日から私はすぐさまMMAのジムに通いだした。
そうして3か月ほどたったある日あの悪い先輩を呼び出した。
ボコボコにしてやった。
次に、その先輩の兄が仲間をつれて出てきた。
負けた。
闇討ちをかけて倒した。
次にその仲間の仲間が来た。
負けた。
まとめて倒した。
次に、その仲間のうちの一人が所属していた半グレ集団が来た。
負けた。
またもまとめて倒した。
なんどもなんども負けて倒して負けて倒して負けて倒して負けて倒した。
そうして死んだ。
あっけなく何も残せず、誰にも認められずにあっさり死んだ。
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