第45話 年の差異母姉妹
第45話
「リン様と進様との間の娘!?ぜ、全然気が付かなかった………」
「………………………………………………」
「改めまして、宜しくお願いしますね、アリスちゃん………いえ、アリス義母上様。」
その後、色々と話したい事が沢山あるし、アリスやミリスちゃんにもちゃんと会わせなければと思い、二人を呼んだ。
アリスは驚愕していたし、ミリスちゃんは黙ったままユンを見つめている。
「道理でリン様みたいな所があるなって感じがしたんだ………」
「いや、気が付けよ………」
お前が一番気が付く可能性あったんだぞ?
「異世界に転移される前は何処かの有名人、帰還した後もハーフエルフな同僚でしかなかったし………」
「それに、父上様も棚上げは駄目ですよ?」
「ぐっ………」
それはそうだな、うん………
まぁ、そもそもエルフやハーフエルフって、親子の判別が難しいんだよな………
どう見ても、そっちが親だろって感じの奴が息子だったり娘だったりするからな………
「…………貴方もお父さんの娘?」
「ミリスちゃん………はい、そうです。」
「なら、私の方が姉だから!」
真剣な顔で見つめてると思ったら、そんな事を考えていたのか!?
というか、歳的にユンの方が姉だろ………
「ええ、確かに貴方の方が姉ですね、ミリスお姉様。」
「ん♪」
「えっ、何で!?」
そういうノリ、ノリなのか?
ミリスちゃんが嬉しそうだから、別に良いんだけどさ………
「エルフ、及びハーフエルフって人族よりも子宮内に居る時間が長いのですよ。なので、私がどんな年齢だろうと、ミリスお姉様やリギルお姉様は私のお姉様なのです。」
そうなのか………
ん?リギルお姉様って、まさか………
「リギルお姉様って、聖女様………スピカ様と俺の娘の名前か?」
「はい。元気で王の資質に溢れた女傑でしたよ。私達は結局、スピカ様やリギル様を父上様に会わす事は不可能でしたけどね………」
自虐するかの様に、彼女はそっと呟く。
俺もキツいな、コレ………
まぁ、当然の話か………
異世界ではもう500年以上も経っている。
生きているのなら、流石に『そこは死んどけよ、人として』案件だし、俺達の血なんかミリ単位になっても可笑しくない時の流れだ。
「悲しいの?私がヨシヨシしてあげるね、ユン。」
「ありがとうございます、ミリスお姉様。」
うん、可愛い。
────どうやら、俺は親バカの様だ。
無性に可愛がりたくてしょうがなくなってくる。
全国のお父さん方も、こんな気持ちなのだろうか………
「ユン、抱っこ。」
「はい、ミリスお姉様。」
ミリスちゃんに抱っこをせがまれ、その通りに抱っこする彼女の姿は姉妹というより、まるで母娘だ。
凄い年の差異母姉妹だな………
「ありがとう、ユン。次は私を座らせて。」
「はい、ミリスお姉様。」
今度はユンの上に乗るミリスちゃん。
おお、めっちゃ胸を枕にしてるな………
凄い満足そうだし、何かエロ親父みたいな顔になってるぞ、アイツ………
「………うん、満足。お母さんより、大きくて柔らかい。」
「「ミリス(お姉様)!?」」
おっと、目を逸らそう。
こういうのに反応したら面倒な事になるって知ってるんだ、俺。
異世界で主に
で、最終的に怒られるのは何時も俺なのよ。
────理不尽だ。
「………ん。」
「ん?呼んだか、ミリスちゃん。」
「ん!」
「それだけで通じる訳がないだろ………」
ったく、仕方ないな………
「ほら、一旦降りてろ。」
「ん。」
「え、父上様?」
ミリスちゃんを降ろし、俺はユンを抱きかかえる。
ユンは驚いている様だが、すまないな。
長女(暫定)の言う事に、父親は逆らえないんだ。
「で、俺の上に乗せれば良いんだろ?」
「へ、父親様?父親様!!??」
「ほら、ミリスちゃんも来い。」
「ん♪」
ユンを胡座をかいた俺の上に乗せ、そんなユンの上にミリスちゃんが乗る。
ユンは驚愕して狼狽えていたが、ユンは嬉しそうだな………
「は、恥ずかしいです………私はもう成人してるのですよ?」
「だから、どうした?俺は唯、娘を甘やかしてるだけだよ。なぁ、ミリスちゃん?」
「ん。ユンも恥ずかしがらないで、ちゃんと受け入れると良いよ。」
「うぅ………」
こうやって近くで見ると、リンみたいに可愛いな、ユン………
正直、性格とかも含めて嫌いではあったが、リンの可愛さは否定出来なかった。
アイツの血を受け継いでいるのなら、こんなに可愛く綺麗になるのも当たり前の話だな。
「ほら、よしよし………」
「や、やめ、は、恥ずかしいです………」
「ん。」
「おう、ミリスちゃんにもよしよししてやるよ。」
うん、可愛い娘達を撫でると、何かが潤う感覚がするな………
というか、娘達を撫でる度に可愛く見えてくるとか、どんな能力だ?
マジで可愛さレベルが天元突破していくな、コレ………
「ズルい。私も混ぜて、進様。」
「うおっ、急に抱き着くな!!」
柔らかい物が背中に急に来るのは、流石にお前相手でも心臓に悪いぞ。
「お母さん、駄目だよ。親と娘の間に入ろうとする奴は投げの鬼にフォトンエッジされるんだよ?」
「そんなルール知らないから問題ない。」
「ん!!」
俺も知らねぇな、そんなルール。
大体、それは百合の間に挟まろうとするクソみたいな男の話だし、ガイアはガイアでも巨人の方だし、何なら元ネタはボコられて悲惨な姿になってるんだよなぁ………
「も、もう、許してください………」
あ、頭から蒸気あげて、気絶した。
次から優しい感じで可愛がるか、うん………
続く
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