第31話 地獄
第31話
拝啓、もうあの世に居るであろう私のお母様にお父様。
何故か私の預かり知らない所で初の娘が、貴方達の初孫が出来ていました。
なのに、見せに行けれない親不孝者で本当にすみません………
「何か考え事、浦島様?」
「お前が凄い爆弾発言したからだろう!?」
あの後、爆弾発言をした癖にスヤスヤと寝てしまったアリスを起こすに起こせず、ずっとそのままにしておいた俺。
睡眠配信とか新しいなぁ、新しいよね?
最初の内は、そんなくだらない事を考えられていた。
だが、少しずつ不安が襲ってきて、俺の心を蝕んでいく。
アリスが起きるまで、マジでキツかった。
下手したら、最後の魔王との戦いより精神的疲労が凄かったかもしれん………
「そろそろ着くよ、浦島様。」
「個人的にはまだ着かないで欲しかったよ、俺………」
今、俺達は彼女の実家に向かっていた。
外に出た時に居たマスコミを振り切るのは大変だったな………
まぁ、もっと大変な事が目前に来てるんだけどね!!
「うっ、吐きそう………」
「二日酔い?袋に吐く?」
「酒を飲んで最初ら辺しかなった事ねぇよ、二日酔いなんて!今からお前の親御さんと子供に会うのが心底不安なだけだ!!」
こんなに気持ちが悪いの、中学に入った頃位に見つけてしまった幼馴染NTR物の同人誌読んだ後以来だぞ………
「嫌だ、お家帰りたい………」
「………会ってくれないの?」
「………会うよ、ちゃんと。」
駄目だ、アリスのこのウルウルとした目に俺は弱過ぎる。
こうやって、結局は押し切られるんだよな、毎回毎回………
まさか、現実世界でもこうなるとはな………
「………はぁ、仕方ないな。ちゃんと、腹を括って親御さん達に会うよ。」
「ありがとう、浦島様!」
はてさて、出会った瞬間に何をしようか?
開幕はアレから行くか?
☆☆☆☆☆
「着いたよ、浦島様。」
「着いちゃったか………」
目の前には普通の民家が建っていた。
正直、金持ちっぽい家の方が緊張しなかったなぁ………
異世界だと、大体そういう所に連れて行かれてたから、そっちの方が慣れてるのよね。
「ただいま。」
「お、お邪魔します………」
アリスに連れられ家の中へと入っていく。
そして、奥の方に連れていかれると………
「君がアリスを………」
「「「……………………………………」」」
物凄い顔で睨み付ける父親らしき人と、穢らわしい物を見る様な目で見てくる母親らしき人。
そして、一目見た瞬間に俺とアリスの娘だと
────もう、血反吐を吐きそう。
「あれ、秀くんも来てたの?」
「………ああ。お前の配信もちゃんと見てたし、お前のお父さん達に呼ばれたからな。」
………あれ?
もしかして、コイツは兄とかじゃないのか?
「ふ〜ん、何で呼んだかは知らないけど、私のお父さん達がごめんね?」
「別に良いよ、アリス。だって………」
と、俺を睨んで来る謎の男。
何で俺を睨むんだよ!!
此方だって寝耳に水状態なんだぞ!?
いや、身内ではあるんだろうから、睨みたくなる気持ちは
「じゃあ、紹介するね。此方、浦島
「えっと、その、浦島 進と申します。この度は………いや、俺も知らないというか訳が
い、言い訳みたいなってるな、コレ………
でも、全て事実なのでしょうがないじゃん!!
「ふ………」
「ふ、巫山戯るなよ、貴様!!」
「クッ────」
父親らしき人の鋭い拳が俺の頬を打ち抜く。
全く痛くないが、コレくらいなら甘んじて受けるとしよう。
というか、避けたら面倒な事になりそうだからな。
「そうやって責任逃れするつもりか、貴様!!まだ小学生を卒業すらしてない我が子を孕ませておいて、何だその言い草は!!」
「………まぁ、そう思いますよね。」
間違いない、アリスは異世界から帰ってきて直ぐに妊娠が発覚したな?
という事は、いつやったかは
「お前、いつ、何処で、俺に何をして孕んだんだ、アリス?」
「コイツ、この期に及んで………!!」
「え?あっちに居る時に、進様が眠ってる所に更に皆で一服盛って、その上で絶対に排卵して確実に孕む薬を飲んで、皆で進様の太くて硬い棒を受け入れたんだよ。そしたら、見事皆孕む事が出来たんだよ。」
そうか、そうか────
「その巫山戯た作戦の首謀者は?」
「えっ、賢者様だけど。」
「────やっぱりお前がアリスを唆しやがったのか、クソアマエルフゥゥゥゥゥ!!!」
本当にロクな事しねぇな、あのクソアマ!!
続く
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