第11話 下衆野郎
第11話
月side
この人、ヤバい!!
私は直感的にそう思い、終わる筈だった配信を続ける事にした。
────もし、これからこの人が何をしようとも証拠を作る為に。
「う〜ん?ドローンも飛んでるね。という事は君はDチューバーなのかな?」
「────そうですけど?」
「だったら、今回は可愛い美少女ちゃんが虐められ、犯される特別AV配信になっちゃいそうだね♪いやぁ、楽しみ楽しみ♪」
「──────────────────」
堪えろ、私。
無闇に怒っても、相手の術中に嵌ってしまうだけだ。
そういう物だと、私は曾祖母ちゃんに教えられてきたのだ。
相手がモンスターだろうと、人間だろうと油断はするなと………
:コイツ、確かAランクの………
:あれ、誰だっけ?
:喉に出かかってるのに、全く思い出せないんだけど!?
:というか、段々コイツの顔がちゃんと認識できなくなって………
「えっ!?」
「ふふ、何かに気が付いたかな?」
視聴者の皆は何を言ってるの?
この人の顔はちゃんと………アレ?
「何で!?顔が、変に………」
「おっ、やっと、かかったんだね♪」
「一体、何をしたの!?」
「うんうん、戸惑うよね♪じゃあ、これから俺に犯されちゃう美少女ちゃんにネタバレをしてあげよう♪」
彼は厭らしく嗤いながら、私に趣味の悪いネックレスを見せてくる。
かなり禍々しい気配を感じるし、絶対に危険な物だ!!
「ふふ、怯えた顔も可愛いね♪コレは蛟真珠っていう宝石から作ったネックレスでね。何と、認識阻害能力があるのでした♪」
パチパチパチ♪と私をおちょくる様に、彼はそう告げてくる。
だから、この人の顔が段々認識できなくなってきてるの!?
「最終的には姿だけじゃなくて、声や形とかも認識が歪んで汚染されちゃう代物だよ♪いやぁ、悪い事をするには便利だよね♡」
────気持ちが悪い。
もう、それしか的確な言葉が見つからない。
この言い草から多分、色んな女の人がこんな下衆な人に………
「これのお陰で、カメラとかに映っても証拠には残らないんだよね♪」
「遺言はそれだけで充分ですか?」
「いやぁ、まだ話足りないよ?美少女とは無限に話せるしぃ、まだ紹介をしてない物があるからねぇ♪」
「そうですか、〘
「おっと!いきなり魔法って、危ないじゃないか!!」
くっ、避けられちゃったか………
なら、量を増やして!!
「〘
「おっ、今度こそ危ないかも♪」
そう言いながらも、男は笑みを絶やさない。
それどころか、呑気にパーカーを被り始める始末だ。
一体、何をして………なっ!?
「さぁ、かくれんぼの始まりだっ♪」
男の人が姿を消した!?
転移魔法!?
いや、違う!!
多分だけど、姿を消してる方だ!!
「一体、何処に隠れて!!」
くそっ、気配すら感じない!
というか、彼が起こす物音すら聞こえてこない………
気味が悪いよ、本当に………
「残念だね、君。かくれんぼは僕の勝ちみたいだ。」
「えっ………あれ?」
私のお腹にナイフが刺さってる!?
どうして、こんな事をされるまで気が付かなかったの⁉
どうして、痛みを感じないの⁉
「さぁ、これでチェックメイトだ。」
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます