異世界に召喚され帰還した元勇者、帰還したら50年も経ってて浦島った上に現実世界もファンタジーに侵食されてた件〜しかも、いつの間にかダンジョンの番人扱いまでされてるオマケ付き〜

クロスディアⅡ

第1話 プロローグ

第1話


「嘘だろ………」


最初に出て来た言葉はこの一言だった。


「風景、めっちゃ変わりまくってるじゃねぇか!?」


嘘だよな、たった数年で変わる訳………


「いや……そんな訳………でも…………」


────ふと、嫌な予感が過った。


もし、これが本当なら、俺は………


「あっ、そこの人!!」

「へっ、な、何ですか!?」


この予感が不正解だと信じ、近くを通っていた人を捕まえる。


正直、不審者極まりないが、形振りなどかまっている場合じゃない。


「な、なぁ、い、今は西暦何年だ?」

「はぁ、何でそんな事を………」

「い、いいから答えてくれ!!」

「ひっ!?20732073ですよ!!」


そ、そんな………


「お、俺があのクソみたいな世界に召喚されてから50年も経ってるじゃねぇか………」


☆☆☆☆☆


「────っ、嫌な夢を見たな。」


しかし、懐かしい夢だ


あの時は本当に絶望したなぁ………


「まぁ、現在進行系の悪夢なんだが………」


何でこんな事になったんだろうなぁ………


『グギャ、グギャギャ!』

「はぁ、煩いなぁ………人が真剣に悩んでるのに、余計に苛立たせる様な声を出すなよ、雑魚が。」

『グベッ────』


『異世界から帰ってきたら50年も経ってた件』とかラノベかよ………


現実も小説みたいな事が起きるのは異世界召喚で身に沁みて体感してるが、流石に酷すぎではないだろうか?


しかも、それだけじゃなかった………


『グギャベッ!?』

「何で魔物とかが居たり、ダンジョンとかが在ったりするのかねぇ………」


さっきから俺の周りをウロチョロしてるキングゴブリンをぶっ飛ばしながらそう呟く。


こういうのはもう異世界で散々やった。


正直、お腹いっぱいだし、パンクしそうな気分だ。


「はぁ、暇潰しにもならねぇな………」


あのプチプチ潰せる包装用のビニール袋の方が暇を潰せるぞ、全く………


「ん?この気配は………」


何だよ、か………


「そろそろ客が来るみたいだ、そろそろ消えろ雑魚共。」


斬撃スラッシュ


『『『『『グギ────』』』』』

「ふぅ、掃除完了っと。………ほら、周りは綺麗にしてやったぞ、さっさと出てこい。」


周りに転がるキングゴブリン共の死体を蹴り飛ばしながら、客人に話し掛ける。


どうやら、少々ショッキングだったらしく、少し怯えている様だ。


折角話しかけたのに無視とか酷いなぁ………


「まっ、そんな事はどうでも良いか。さっさと此処から帰れ。はお前さんじゃ無理だ。」


そう言うと、少しだけ客人は少し顔を顰めてしまった。


おや、怒らせちまったか?


でも、事実を言ったまでだし、ダンジョンじゃ事実陳列罪は成立しない。


「俺が誰かって?勝手に此処に住み着いて、勝手に深層への番人をしてる世捨て人さ。」


唯の暇人とも言うがな………


「忠告はした、それでも深層に行きたいのなら、少しだけ遊んでやる。数分間も俺と付き合えたなら、深層も大丈夫だろうからな。」


まぁ、無理だろうけど………


「ほら、かかってこいよ。但し、気を付けろよ?此処から先は、俺の独壇場セカイ

だからな!」


続く

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