裏話#14
#14没設定について
今回は、Arc Light~英雄騎士物語~の没設定をいくつか紹介したいと思います。
その1 天の力と血筋
本作の世界は、天光雷地水火風の7つの力に彩られる世界。そして、主人公であるディゼル・アークライトは天の力を宿す選ばれし者です。
当初の構想では、天の力を宿す者は聖王家――正確にはディアス家の血を引く人間の中から現れるという設定でした。この設定は、Arc Light~英雄騎士物語~が元々は以前に書いていたDIAZ SAGAという作品をリメイクした作品であった為で、主人公はディゼルではなくディアス家の人間にする予定でした。
しかし、王家の人間だけが天の力を宿す設定では、戦いの最前線に立つ可能性が高くなります。もしも、天の力を宿す者が王位継承者だった場合は、戦死でもしたりしたら王家存続の危機に陥るという色々とシャレにならない事態に(;´・ω・)。
主人公は騎士にする予定だったし、王族を守るのが騎士というイメージが強かったので、元々主役を務める筈だったディアス家の人間は主人公から外しました。
というわけで、現在は天の力を宿す者は作中世界で生まれた人間の中から、血筋に関係なく生まれてくるという設定に変更。
ちなみ、女性主人公にしようと思っていましたがそれも没に。番外編のディアナはその没主人公が基になっています。
また、当初は天の力による放出系統の魔法――即ち、攻撃魔法も考えていました。しかし、作者の足りない頭で色々考えても良いアイデアが出ません(。-`ω-ก)。
なら、いっそ攻撃魔法は無しの方向でいいんじゃないかと思い至り、天の力を宿す者の攻撃手段は天の力の魔法剣である天剣のみとなりました。それゆえに、天の力を宿す人間は剣術に長けた剣士か騎士である事が多いという設定にしております。
その2 超古代文明
実は構想段階で、ある設定を組み込もうと思っていました。それは遥か昔に途轍もなく高度な文明が存在していたという、超古代文明の設定です。
遥か昔は高度な魔法文明が存在しており、人々の寿命も魔法技術によって遥かに長命となっています。しかし、これまたありがちな力に溺れた者達の愚行によって、文明は崩壊して世界は混沌と化し、技術レベルも低下した……という感じです。
漫画とかゲームとかでも見かけるこの手の設定を本作にも取り入れようと、色々と構想を練ったものです……結局は没にしましたが。あまり凝った設定にして風呂敷を広げ過ぎると物語を上手く繋げられる自信が無かったからというのが一番の理由です。
その3 深淵
構想段階の設定で、特に拘っていたものは深淵に関する設定でした。現在の設定では、表裏一体に存在する悪しき怪物が住まう世界という、分かりやすく言えば魔物が住む魔界みたいな設定となっています。
深淵の当初の設定は、その2で記述した超古代文明と結びついたものでした。超古代文明の末期、力の溺れた者達の手で大きな戦争が起き、世界は大きな混乱に陥っていました。
このまま、争いが続く事を憂いたひとりの若者が居ました。どうすれば、人類同士の争いを止められるのか――彼は悩み抜いた末に、ひとつの結論に達しました。
人類が争うなら人類共通の敵を、必要悪を作り出せばよいのではないか? 魔法研究者であったその若者は、研究の末にこの世界と重なり合うように存在するもうひとつの世界を発見するに至ります――それこそが、深淵。
深淵には、知性に乏しい凶暴な生命体が住んでいました。殺戮を本能とするこれらが、自分達の世界に出現して人々を襲う。
未知の存在による侵略、未知への恐怖を人々に植え付ける事で人類を結束させる事が若者の目的でした。その為に若者は、自らが深淵を統べる“王”になる決意をして、人類の敵となりました。
……というのが、当初に於ける深淵の設定です。深淵の王は、実は元人間の魔法研究者の予定だったのです。
しかし、それではどうやってその若者が人間を辞めて深淵の怪物達を纏める王になったのか、という話を上手く書けそうになかったので、結局この設定は没になってしまいましたw
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