裏話#4
#4 魔法剣
以前、近況ノートにも少し書いた内容ですが、今回は魔法剣に関する話題に触れようと思います。 本作には、魔法を剣の形状にして振るう魔法剣と呼ばれる戦闘技術で戦う人物達が登場します。
1.魔法剣の種類
魔法剣は、使用者自身が宿している属性のものしか使えません。火の力を宿すロイドなら“炎剣”、風の力を宿すルディアなら“風剣”となります。
“炎剣”
火の力による魔法剣、刀身の色は赤色。
凝縮された火の力で敵を焼き尽くし、高い攻撃力を誇る。
主な使用者は守護騎士ロイド・グラスナー。また、ディゼルの先輩だった守護騎士ブルーノも炎剣の使い手である。
“風剣”
風の力による魔法剣、刀身の色は緑色。
鋭い切れ味が特徴で、風の力で形成された刃を遠距離に居る相手にも飛ばす事が可能と、高い汎用性を持つ。
主な使用者は守護騎士ルディア・クロービス。
“水剣”
水の力による魔法剣、刀身の色は青色。
通常の刀剣としての使用の他、鞭のように形状変化させるなど、近中距離戦に適している。また、熟練者になると敵を凍らせる“氷剣”の使用も可能となる。
主な使用者は守護騎士ファイ・ローエングリン。
“地剣”
地の力による魔法剣、刀身の色は灰色。
幅が広い大剣の形状で発動する事が多く、敵の攻撃を防ぐ盾のような扱いも出来る。魔力を込める事で重量を増加させ、凄まじい重量で敵を圧し潰す事も可能。
熟練者は地剣の力を自身に付与させ、肉体を身体強化術で強化した時以上の強度に高める“鋼体術”が発動可能。
主な使用者はルディアの兄、グレイブ・クロービス。
“雷剣”
雷の力による魔法剣、刀身の色は黄色。
放電している刀身が特徴で、斬られた相手の全身に電流が流れていく。また、雷剣の雷の力を周囲に放電させる事で、周囲の敵を痺れさせるといった使い方も。
熟練者は自身の肉体に雷剣の電流を流す事で反射速度を高める事が可能。但し、連続使用は肉体に多大な負荷を及ぼす。
主な使用者はディゼルの父、ウェイン・アークライト。まだ不完全ではあるが、子孫であるライリーも使用出来る。
“光剣”
光の力による魔法剣、刀身の色は白。
太陽を思わせるような眩い刀身が特徴。光の力を弱点とする深淵の軍勢に対し、絶大な効果を持つ。
光の力による波動を刀身から周囲に発する事で、弱い深淵の軍勢なら一瞬で消滅させるという使い方も出来る。
主な使用者は守護騎士隊長を務めた聖王グランと、その子孫である現聖王エルド。
“天剣”
天の力による魔法剣、刀身の色は虹色。
選ばれし者だけが振るう事が出来るとされ、あらゆるものを斬り裂くという最強の魔法剣。深淵の軍勢に対する効果は光剣を凌ぐ。
闇魔法によって異空間に飛ばされたディゼルは、この魔法剣で異空間に亀裂を生じさせる事で脱出に成功している。
地面に突き立てる事で、深淵の力を退ける魔法陣“天陣”を発動させる事が出来る。
主な使用者はディゼル・アークライトと、聖王国初代国王アヴェル。
2.魔法剣の発祥と発展
魔法剣発祥の地は、かつて大陸西部に存在したリュミエール王国――聖王国の前身となった小国。
リュミエール王国建国に尽力した47人の勇士のひとりが、掌に収束させた魔法を剣の形状にして深淵の軍勢を斬り裂いた事が起源となっています。魔法剣の使い手は他国にはあまり居らず、作中では主に聖王国の人間に使い手が多い印象があります。
上記の通り、元来の魔法剣は掌に収束した魔法を剣の形状にして扱う技術でしたが、肉体への反動が大きく長時間の使用は使用者の寿命を削るほどの負荷を与えるという大きなリスクを伴いました。多くの魔法剣の使い手達が、魔法剣の研鑽に励みながら、肉体への負荷を軽減する術を模索しましたが、有効な手段は見つからずに月日は流れました。
時は流れ、リュミエール王国が深淵の侵攻で滅亡。生き残った第二王女と守護騎士達、民達は流浪の身を余儀なくされました。
この時、リュミエールの民達は創世神国近くの空白地帯に小さな集落を築き、数年の間はその地で生活しました。この集落近辺を調査をしていた、後の聖王アヴェルと伝説の魔術師ユリウス・ラングレイは、偶然発見した地下鉱脈で魔法鉱石の入手に成功。
魔法鉱石は手にした使用者の魔力を受ける事で形状変化するという性質があり、ユリウスはこれを用いて魔法剣による負荷を軽減する道具の作製をアヴェルに提案し、アヴェルは魔法鉱石に魔力を込める事で魔法剣に用いる柄を作りました。
魔法剣の柄は使用者に掛かる負荷を軽減し、長時間の魔法剣の使用が可能となりました。この時、アヴェルの手によって作り出された柄は後に『始源の柄』と呼ばれ、聖王国の至宝として伝わり、長い年月の末に天の力を宿したディゼルが賜る事になります。
余談ですが、聖王国建国後に仮の居住地だった集落は魔法研究の為の都市に生まれ変わります――都市の名は魔法都市ラングレイ。現在でも、魔法技術の最先端を行く都市として、その名を大陸中に轟かせています。
3.魔法剣の設定に関して
……さて、ここからは作者が魔法剣の設定を考えていた時の与太話になります。
魔法剣という設定を考えた際に、どんな感じにしようかと、アレコレ悩みました。当初は、金属製の剣に魔法を纏わせるようなイメージでした。
しかしながら、金属製の剣にする……じゃあ、その剣に使われている金属はどんな金属なのか、という壁にブチ当たります(;゚Д゚)。
うーん、魔法に関係しそうな金属……オリハル〇ン? 〇スリル? ヒヒ〇ロカネ? 有名どころが頭に思い浮かぶも、あまり有名な名前の金属を使うのはどうだろうなーと。
やがて、金属製の剣に魔法を纏わせるイメージから魔法そのものを剣の形状にするというイメージにシフトしていき、魔法剣発動のイメージは〇ームサー〇ルみたいなものが出現する感じに。
そして、思い至ったのは世界的に有名な大作映画シリーズに登場する銀河の平和と秩序を守る騎士達が振るうあの光の剣でした(笑)。あちらと違うのは、魔法剣発動には魔力が必要という事でしょうか。
友人に魔法剣の設定を話した際、『コレ、銀河の平和と秩序を守る騎士達が振るうあの光の剣が元ネタだよね』とツッコまれたのは言うまでもありませんw
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