ビッグジャムサーマンデ

エリー.ファー

ビッグジャムサーマンデ

「あ」

「い」

「う」

「え」

「お」

「か」

「き」

「く」

「け」

「こ」

「さ」

「し」

「す」

「せ」

「そ」

「た」

「ち」

「つ」

「て」

「と」

「な」

「に」

「ぬ」

「ね」

「の」

「は」

「ひ」

「ふ」

「へ」

「ほ」

「ま」

「み」

「もう、やめましょう。流石に飽きてきました」


 もう二度と変えられない。

 私の創り出した物語。

 このそばかすも呪いの上に置かれたのだ。

 活字は活きた字と書くのだ。

 撃て。

 そして。

 打て。

 僕は。

 これ以上に涙に近い物語を見たことがない。

 眺めさせてくれ。

 そして。

 何もかも埋めて泣いてくれ。


 これは、とある死体の物語だ。

 捨て去ったはずの感情に愛される恋物語だ。

 

 汗臭いセックス。


「自爆しないと生きていけない呪いにでもかかったのですか」

「そんなわけないでしょう」

「明日、死体を埋めに行く予定です」


「月曜日が消えてなくなって欲しいと心から思っています」

「髪の毛にあなた宛ての言葉を並べました」


「どうして、あなたはネズミになったのですか」

「なりたかったわけではなく、気が付くとネズミになっていたのです」

「ネズミから脱却したいと思わないのですか」

「脱却したい、という思いは数十年以上前に失いました」


「言葉が膨れ上がった死を創り上げてしまう」


「闇を見ていて。いや、闇に見つめられていた」


「素晴らしきこの世界にある、クソのような言葉」


「ワイシャツに落書きをしたいのです」


「愛知県」

「香川県」

「石川県」

「宮城県」

「熊本県」

「山梨県」

「長野県」

「鳥取県」

「旅行したいです」

「すればいいじゃない」

「したくないんです」

「どっちですか」

「どちらでもいいじゃないですか」

「これは、何の話ですか」


「勝ちますか」

「いや、勝ってますよ。しかも、かなりね」


「自分が大丈夫だと思っていませんか」

「だって、事実、大丈夫ですからね」

「もしも、ピアノが弾けたなら」

「弾けた所で意味もありません」


「起業とは、金持ちの遊びだと思います」

「いいえ、企業とは、偏差値そのものですよ」

「大切にして下さい」

「弱者も強者もないまぜになって、真実が見えてくるのです」


「強者っ、わっしょいっ、強者っ、わっしょいっ」

「弱者っ、どっこいしょっ、弱者っ、どっこいしょっ」

「勝て勝てっ、強者っ、負けるな負けるなっ、弱者っ」

「強者とか弱者とか、そういう定義を自由に使うのは面白いなぁ。楽しいなぁ。残念なことに、社会はこの問題を許容することにしたし、幸運にも、社会はこの問題について語ることを許してくれたんだなぁ。どうして、住みにくい世界であることを望むんだろうなぁ。ずっと昔から続いて来た文化そのものなのかなぁ。でも、しょうがないか。追い出される側が悪いんだし、負けた方がいけないんだし、潰されたヤツに非があるんだし。まぁ、それで、やってやられてを繰り返すことで今があるんだし。気にしてもしょうがないでしょ。さぁ、今日も私は誰かを殺しに行ってきまーす。死体から骨を取り出したり、生け捕りにした人間に爆弾を巻き付けて走らせようと思いまーす。まぁ、しょうがないね、こういうことが起きるのは、世の中が健全だってことですよ」


「月曜日が終わる」

「と、いうわけで」

「おやすみなさい」

「何かが起きそうな予感」

「いやいや、ずっと何かは起き続けていると思いますけどね」

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ビッグジャムサーマンデ エリー.ファー @eri-far-

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