ナレズウェンズデー

エリー.ファー

ナレズウェンズデー

「答えを教えて下さい」

「嫌です」


「ご飯を用意して下さい」

「嫌です」


「ラグビーはお好きですか」

「嫌です」

「答え方、間違えてますよ」


「ジャンケンとカンジャンケジャンって似てますよね」

「似てるかどうかジャンケンで決めませんか」

「どうせなら、カンジャンケジャンを使ったジャンケンをしましょう」

「ずっと、あいこが続きますよ」

「では、チョキだけではなくパーも出すことができるようにしましょう」

「出すと思いますか」


「白いですよね」

「真っ白ですよ」

「あれは、太陽ですか」

「草花であると思います」

「パソコンの中に、明らかな呪いがあります」

「見つからないようにしておきましょう」

「あなたは誰ですか」

「誰でしょうね」

「誰でもいいではありませんか」

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」

「また、明日」

「私が生きている限り、お前らに明日は来ないよ」


「シャンプーが目に染みる」

「リンスではなく、ですか」

「シャンプーです」

「洗い流してしまいましょう。その罪もね」

「意味深な言い方をしないで下さい。非常に疲れます」


「負けてるのに喜ぶのは、どういう精神状態なのですか。おかしくなってしまったのですか」

「眠いなぁ」

「私もですよ」


「あれが虚無ですか」

「いいえ、蛙です」


「シュールに価値などありません」

「シュールに逃げてはならないのです」

「シュールを使いこなしてこそ一流の証です」

「シュールなんて誰でもできるものですよ」

「シュールが一番優れています」


「もしも、ピアノが弾けたなら。僕とあなたを煮詰めて歌にしてみせるのに」


「虹色ってなんですか」

「本当にっ、本当にっ、最高でーす。大好きでーす」


「そりゃ、そうだ」

「いつもいつでも」

「そりゃ、そうじゃ」

「そーりゃ、そりゃそりゃ」

「どっこいしょ」

「そりゃっさっ、そりゃあさぁっ、どっこいしょっ」

「そりゃそりゃ」


「なんで、こんなことをしなければいけないのか」

「僕らは、このルールの中で戦わねばならないのだ」

「マグカップ殺人事件」

「リアルですね。リアルそのものですね」

「何ものにもなれず、ただただ死んでいった水曜日」

「喜ばしいことだ。私が直々に呪ってやろう」

「なあに、気にするな」

「気にしてはいません」

「じゃあ、ちょっとくらい気にしろ」

「はい、気にします」


「日本人って、どんな生き物なんですか。差別的な思想を持っているんですか。とにかく、教えて下さい。これって、聞いていいことですよね。だって、純粋な疑問ですからね。ねぇ、そうですよね。ほら、なんとか言って下さい。黙っていられると、何なのか分からないですよ。ねぇ。ねぇってば」


「意味がないと喋ってはいけないのですよ」

「演劇とはなんですか」

「ネクタイを使った遊戯ですよ」

「睡眠薬が最も優れています」

「そうですね」

「そうでしょう」


「死を感じさせて欲しい。お願いだから、持ち上げて下さい」


「さあ、地球を壊して下さい」


「思考実験なんて、無意味ですよ」

「何も生まれません」

「やめましょう」


「言葉が僕を作り出した」

「作り出された物語が人を進ませました」

「ただし、すべて幻想です」

「何もかも無意味です」


「才能って、こういうものですよ」

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