第3話 見上げた空

 その日、人々は空を見上げた。


 巨大な鑿(のみ)が、暗雲垂れ込めた空を穿って、さらに天高くへと登って行った。


 穿たれた穴から、待ち望んでいた光のカーテンが降り注ぐかと思われていたが、実際は大量の濁った泥水が大瀑布となって降り注いだのだった。穴の下の地上を埋め尽くすほどに。

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