背後から睨めつけるような視線を感じた。振り返っても、人の姿はない。僕らの不安などそっちのけで有線放送ではジャスティンビーバーの流行曲がかかっている。


 一階にはまだ奴がいる。僕らのことを監視している。いつでも襲える準備があるのに襲ってこない。いや、僕らが固まっていて行動に移せないのかもしれない。


 マリー・ガガは小さい鼻を上に向けて、どこなら安全かと僕に聞く。いやー、それは分からない。とにかく、固まっていればあいつも迂闊に攻撃してこない。


 そもそもあいつの目的はなんなのか。もしかして、あいつも外に出られないのではないか? なら、互いに協力しようと考えるのが普通じゃないのか。何故この非日常な空間の中で人を襲うことを思いつくのやら。


 まさくんを狙うためとか? あいつが僕らをモールに隔離した? あいつはこの世の者ではない? いいやと首を振る。あいつはバレンタイン会場の仮面で、顔を隠す必要がある人間だ。顔を晒せない臆病者なんだ。


 相手が僕らに顔を見られることを恐れていると想像する。俄然勇気が湧いてきた。もっちーとマリー・ガガの手を引いて中央エスカレーターに戻る。


「ちょっと、ウダガワ。広いところはあかんわ」


 もっちーが冗談めかして言う。殺人鬼を鵜呑みにしていないことは分かっているつもりだが、確かにだだっ広い場所は危険かもしれない。エスカレーターは東西に二か所ずつと中央の、全部で五か所ある。


 確かにここから上がると、吹き抜けもあることだし丸見えだ。


 中央エスカレーターの次に近いのは北西か北東のエスカレーターだ。生鮮食品売り場を通って北西のエスカレーターに向かう。


 活気のない生鮮食品売り場を見るのは初めてだった。普段ならここは威勢のいい店員と買い物客でごった返しているのだが。


「あ、ここってスーパーあるんか? 寄って欲しいんやけど」


「あのさ、君も広いところは駄目だって自分で言ってたじゃないか」


「喉乾いたんよ。ミスターダビデじゃ、ドリンクはなんかよく分からんサーバーやったし、手届かへんかった。ペットボトル持っとけば、持ち運べるしな」


「なんだ、じゃあミスターダビデにいたときに言ってくれたら、僕が入れてあげたのに」


「別にええわ。自分でやれることやるし」


 もっちーはどうして僕の意見に耳を貸してくれないのだろう。気に障ることでもしたかな。


 北東のスーパーマーケットには買い物かごが相変わらず散乱している。


「あらー」


 マリー・ガガは純粋に驚いているが、もっちーは飲料水コーナーで、ペットボトルのお茶を取る。


「買い物かご置いて、どっか行く大人なんかいっぱいおるやん」


 もっちーも不安なんだな。だが、僕が不安なのにどうやって安心させられるだろうか。元々僕は子供の扱いがよく分からない。


「レジに行きましょ。ああ、でもスキャンできる人がいないわね。レジ担当の名札みたいなのが必要だし」


「すごいな。バイトしたことあるのか?」


 レジ打ちするには、店員のバーコードが必要なのを知っているのか。それだけでなく、この緊急時においても何がなんでも支払いをするつもりらしい。偉いな。


 マリー・ガガを先頭にレジに向かったとき、何やら小さい車輪が回転するような音がした。


「誰かいる。レジなんてしなくていいから。早く移動しろ」


 僕は音の方向を捉えようと耳を澄ませる。誰かの走る足音がする。


 二人は面倒くさそうな顔をしてレジを素通りした。それから、ぎょっとして僕に飛びついてきた。


「ど、どうした」


 レジを出てすぐのカウンターにショッピングカートが突っ込んできた。二人が飛びのいていなければ、危うく怪我をしていただろう。身長の低い女子二人なら顔か、悪ければ首を切っていたかもしれない。


 ショッピングカートには、これでもかと重そうなビール瓶が箱で詰められていた。それからカートの先端には、割られたビンが複数取りつけられており、とげとげしい見た目になっていた。


「早く逃げよう」


「待って歩けないの」


 仮面の不審者の姿は見当たらない。マリー・ガガの足が竦んでいる。よく見れば、ニットが肩の辺りで破け、中に着こんでいるシャツは赤く滲んでいる。誰かに傷つけられたことははじめてなのだろう。僕が手を引いても、足が床に吸いついているようだ。


「マリー大丈夫? ちょっと、ウダガワ! 無理に引っ張らんといたって。先に手当せな」


「逃げるのが先だって」


 僕が先ほど一階の出口と格闘した方角、コーヒー店の前で肩を怒らせている仮面の不審者を認めてしまった。こっちに向かって走ってくる。速い。大阪府三位の短距離走走者に勝った僕と同等ぐらいの速さかもしれない。


「いいから、早く立てって」


「いややああああ」


 真っ先に逃げたのはもっちーだった。


「待て、どこ行くんだ」


 しまった。もっちーがはぐれる。


 マリー・ガガは膝から力が抜けて座り込んだ。僕はマリー・ガガを引っ張り起こし、背中におぶる。ほんのりマリー・ガガは暖かい。


 仮面の不審者はもう目と鼻の先に迫っていた。チョコレートの仮面が笑っているように見えて、背筋が凍る。背を向けて走り出したときには、チョコレートの甘ったるい香りが感じられるようだった。


「お兄さんもっと急いで!」


 マリー・ガガは僕の背中の上で暴れた。僕なんか頼りにならないとでもいうように。


 僕は自分の息使いと、仮面越しの不審者の吐く息を耳元で聞く。まずい、追いつかれる。


 足音が僕の足と重なるようだった。背中に衝撃を感じて、前にもんどりうつ。耳元で悲鳴が爆発する。一瞬、僕の耳がろうして、平衡感覚のなくなった足がたたらを踏む。


 北東出口の手前で転んだ。そのとき背中からマリー・ガガがずり落ちた。急に背中が軽くなる。僕のダウンジャケットにぱらぱらと雨に降られたときのような音が伝った。


 マリー・ガガを落としてしまった。慌てて手を握ると、マリー・ガガの面長の顔がくしゃっと歪む。その細い首から呻き声が掠れ出た。背中に大きな刺し傷がある。


「しっかりしろ! おい」


 マリー・ガガの唇が真っ青になって短い息が吐き出された。目から光が消える。

 急激に濁った瞳に僕はうわっと腰を抜かした。それがいけなかった。まだ背後にいた仮面の不審者がマリー・ガガにがばと飛びつき、あっという間にかっさらってしまった。


「お、おい」


 動顛どうてんしてしまったが、僕は怒りに任せて膝を立ちになる。立ち上がるなり、クラウチングスタートを切った。陸上選手の見よう見まねだが、スピードで負けるつもりはない。せっかく僕を頼ってくれた女の子の背中を、あろうことか僕が背負っているときに刺すなんて。ゲス野郎め。


 マリー・ガガを抱えた仮面の不審者は、元来たスーパーの前を通っていく。生鮮食品売り場に入り込んだ。人を抱えているというのに、巧みなステップでジグザグに走りやがる。


 魚売り場と野菜売り場の境目で、突然奴はしゃがんで見えなくなった。僕は突然のことに、驚いて何かの罠かと勘ぐり立ち止まる。


 マリー・ガガの残した血痕が僕を右へ左へと導いている。あいつはレインコートを着ているぐらいだから、血には敏感だと思う。これを辿って僕が迫ることも分かるはずだろう。


 僕は武器になりそうなものはないかと探す。くそ、氷でがちがちに冷えた魚ぐらいしかない。何もないよりはましか。氷でしっかり冷やされた硬そうな鯛を選び取る。フルスイングすれば、痣ぐらい作ってやれるだろう。


 魚とは別に金気かなけのある生臭さが鼻を突いた。血の臭いが強くなった。嫌な予感がする。これ以上何も起こらないでくれよ。


 レジカウンターの内側辺りからだが、僕は入れるのか? 外から中の様子が垣間見えないスタッフルーム等には入ることができない。ただのカウンターなのだから中身の想像はだいたいつく。たぶん入れるはず。レジカウンターには商品を入れるビニール袋、紙袋や保冷剤が置かれているだろう。


 幸いあの闇は現れない。そこには視点の定まらないマリー・ガガが仰向けに転がっていた。


 吐き気がして僕は鯛を取り落とし蹲る。


 マリー・ガガのいくつもの目が僕を見つめている。遺体は一つではなかった。カウンターの内側には足の踏み場もないぐらいに、血塗れのマリー・ガガが折り重なっている。


 まさくんのときと同じだ。一体、仮面の不審者は何人を殺害したんだ。


 本当に全部マリー・ガガなのか、全部息を引き取っているのか確かめる必要があったが、遺体をもう一度見られるほど僕は雄々しくない。こうしている間に仮面の不審者は逃げてしまうかもしれないと分かっていても、足が床に吸いついて離れない。嫌な予感がする。


 仮面の不審者が、マリー・ガガの遺体の山に身を潜めているかもしれない。


 伏し目がちにもう一度マリー・ガガの堆い山と対峙する。うっかり背中を向けて立ち去るところだった。そうなったら僕もやられていたかもしれない。


 遺体の山から目を離さずに鯛を拾いなおす。これで相手の脳天をかち割れるとは思えない。寧ろ尾や背びれで自分の指を切るのが関の山だ。安全パイはマリー・ガガの遺体もろとも鯛で殴り倒して先手を取ること。


 いくら何でもそれだとマリー・ガガが可哀そうだろう。遺体を破損させるのも十分犯罪だし、人としてどうなのか。クズのやる戦法じゃないか。


 恐る恐るカウンターの中まで入り込む。マリー・ガガの華奢な足が幾本も投げ出されている。無言で見つめ返してくるマリー・ガガたち。光を失った瞳を見るのは忍びない。ごめん、救えなくて。でも、僕が背負っていたのはどのマリー・ガガなんだ?


 仮面の不審者が遺体の中に隠れているのなら、すぐに起き上がることはできないはず。だが、僕がマリー・ガガ一人一人を手で触れようものなら、突然手を伸ばして捕まえることだってできるのかもしれない。そのまま転ばされたらこちらの優位はなくなる。


 マリー・ガガはもう死んでいるんだ。人形だと思えば怖くない。それに、僕がおぶったのはただ一人だ。ほかの個体とは面識がない。


 少し手荒に扱うけど許してくれよと、僕はマリー・ガガを鯛で小突く。動かない。分かっていても、申し訳ない気持ちになる。それから、一人一人腕を引いて転がし、遺体の山を崩す。もう鯛は必要ないだろう。邪魔になったのでその辺に捨てた。


 どのマリー・ガガの腕も冷たい。一番上のマリー・ガガは死後硬直がはじまっていたが、ほかのは、少し柔らかいし、肌のはりがなかった。つかんだところが、紫に変色してそのまま僕の手の跡が残る。これが死斑と呼ばれるものなのだろう。心臓が止まると血液は停滞し、紫の斑点が皮膚に現れはじめる。僕がつかんだことで、血が一か所に偏って鬱血したんだ。


 つまり下の方に倒れているマリー・ガガになるほど、死後硬直のピークは過ぎて腐敗しているということだ。血のほかにアンモニア臭が強くなってきたので、体液も漏れ出しているのかもしれない。


 遺体に足が埋まるようになったころには、吐きそうになった。マリー・ガガの柔らかい髪の毛先が足首に絡んだ。これ以上は遺体を押し広げない方がいい。子供の遺体をもののように扱うことに今さら自己嫌悪する。そして分かったこともある。僕は死体慣れしていないくせに、着実にことを進めている。死体を触る経験なんてはじめてなのに、どうしてだろう。


 ざっと十人のマリー・ガガの検分を終えた。


 ここに奴はいない。


 マリー・ガガの目を閉じてやろうとして、一人だけ閉じるのはなんだか可哀そうな気がした。一人を手厚くするのなら、ほかのマリー・ガガにもそうしてやらないといけない。結局元のように積み重ねた。カウンター内に収納する。もっちーが見たら気が動転し兼ねないだろうし。


 大した武器にはならなかった鯛を拾おうとして、近くに放ったそれがなくなっていることに気づいた。


 鯛の落ちていたと思われる場所にはわずかに水滴が光っている。落ち着け、鯛を奪われたからなんだと言うんだ。あいつは案外臆病者だ。殺傷力のない鯛を僕から遠ざけた。いや、本当にそうか? 誤って自分が遠くに投げてしまったとかはないか? 可能性の低いことを考えて少しでも自分を安心させようとしている。


 相手は包丁を爪のように生やした奴だ。頭がおかしい。なんだってわざわざ包丁を装着するんだ。あんな馬鹿げた衣装は、ハロウィンではしゃぐ無法者だ。


 鯛がないならあじでもなんでもいい。武器になるものを何か――。


 売り場に戻った瞬間、胸元に何か飛んできた。


「うお!」


 殴られたと思って両腕をあわあわとクロスさせたが、胃の上に衝撃を与えたのは鯛だった。腕でかばっていたとはいえ、若干吐き気を覚えた。危なかった。デッサンの勉強で、人体についても自主的に調べたことがあるが、鳩尾の辺りは神経叢があるから痛いのだとか。


 あいつめ!


 こんなくだらないもので急所を狙ってくるなんてと頭に血が上ったとき、風を切る音がした。


 反射的に僕は真横にステップを踏んでかわす。は? 飛んできたのは鯵だ。舐めた真似しやがる!


 仮面の不審者は向かいにある中華総菜店で直立している。心なしか僕よりも小さく見える。あんなひ弱そうな奴にビビらされたのか?


 怒り心頭に僕は駆ける。仮面の不審者は不意打ちに失敗したのだから、当然逃げるものと思っていた。だがあいつはこっちに同じ速度で向かってきた。まずい。僕は狼狽え、靴を滑らせて止まる。


 仮面の不審者は腕をこちらに見えるようにゆっくり頭上にかざす。四本の包丁が迫る。


 何か盾になるものは? 魚じゃ駄目だ。もっと大きなもの。例えば代わりになる、マリー・ガガの遺体――一体僕は何を考えている! 自分を守るためなら子供を盾にしてもいいのか。


 冷酷になれなかった。両手を挙げて降りかかる四本の刃を受け止める。


 焼けつく痛みに叫んだ。四本の刃を全部右手で受けている。無意識の防御態勢だが、手のひらに四本の筋が入って出血していた。小指と薬指のつけ根から薄桃色の筋繊維のようなものが見えており、小指が薬指から離れてぶらぶらしている。道理で痛いなおい。これ、縫い合わせられるんだろうか? 涙が出る。中指がびりびりと痛むし、小指は何も感じない。神経を切られた。


 そうこうして右手を庇っていると、仮面の不審者がそのまま僕を押し倒した。天井の照明が目に入るやいなや、影になる。奴は覆いかぶさってきた。近くで見るとチョコレートの仮面はとろけるような笑みを浮かべている。


 バレンタインの変質者。仮面の中の黒目は茶色く濁っている。しょせんはチョコレートだ。中で少し溶けているのだろう。そんな状態で仮面を被っているなんて信じられない。


 仮面の不審者の左手が僕のダウンジャケットをつかみ、再び四本の包丁が振り上げられる。男に体重をかけられたら逃れられない。僕は身体を捻ってダウンジャケットを脱ぎ捨てた。四本の包丁はダウンジャケットだけを切り裂いた。


 薄茶色のニットのトップス姿になった僕は、這う這うの体でその場から離れる。途中、包丁が僕のスニーカーの踵をかいた。僕はそれを蹴り返して応酬する。仮面の不審者は包丁を握る手を痛めてうっと唸る。男の声だった。


 僕は通路でクロールでもするように左腕を大きくかいて距離を取る。男は膝立ちして再び飛びついてきた。しつこい野郎だ。床には捕まるものがないので、足から離すために蹴るしかない。包丁の動きをよく見て、切りつけられる前に蹴る。スニーカーの底が穴だらけになっていることだろう。あれ、そういえばあいつも白のスニーカーなのかと不思議な一致に気づく。


 包丁が太ももをかすめた。床に当たってきりきりと耳ざわりな音を立てる。僕は横に転がる。それでも執拗に四本の刃がデニムパンツに当たる。切れているかもしれないが確認する暇はない。痛みを感じたら終わりなんてこともあり得る。


 チョコレートの仮面を狙ってこちらから蹴り上げた。すると、慌てて男は身を引いた。仮面は所詮チョコレートだ。割れると思ったのか。


 顔を見られたくない? 四人しかいないモールだぞ。もしかして、知り合いだから顔を隠しているのか?


 そんな馬鹿なことがあるか。僕の知り合いに人殺しはいない。


 断定できるか? 彩はどうだ。彩は僕を本心から愛していたか? 彩は僕のことを玩具としか見ていなかった――。


 そんなことない。何考えてる。彩は小悪魔だが人殺しではない。


 仮面の不審者は男のはずだ。高身長でもなく、少し痩せ型でさほど僕と体格は変わらない。ほかに近しい痩躯なのは伯父さんぐらいだが。伯父さんこそ社会の規範と言える人物で、殺人鬼を警察に突き出すようなステレオタイプの人間だ。


 確かめてやる。まだ起き上がっていない仮面の不審者の右腕を抑え込み、包丁を使わせまいと今度は僕が床に転がしてやった。


 いざそうなると、左手で相手の右手を封じ、ほとんど動かない右手で仮面を剥がすことになる。指ぐらい引っかければいけそうだが、相手は大きく顔を仰け反らせる。


 僕は腕を振った勢いで指をかけようとした。だが、出血の続く右手は腕全体が脈打ち、少し動かしただけで電気が走ったような痛みが来る。


 仮面の不審者は膝で僕の胴を横なぎにした。


「っぐ」


 脇腹に入って鈍い痛みに襲われる。


 仮面の不審者の荒い息が聞こえ、僕は身体を強張らせたが奴も包丁を握る手から出血していた。自分の包丁で指でも切ったのか?


 仮面の不審者は緩慢に起き上がったが、片膝をつくと包丁を固定した手を庇いながらも、短距離走選手のような俊足で走り去った。


 僕には興味がないというような態度が気に食わなかった。

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