第273話その正体は
さっそく俺はユリウスの屋敷の地下に空間を作っていく。
さすが闘技場の支配人をやっているだけあって屋敷自体は広いが中は思ったより質素に感じてしまう。だがそこはユリウスがもともと派手な内装が好きでないということらしい。
だがやはり秘密基地なら内装も少しはこだわりたいという思いが捨てきれず俺は密かにこだわりを詰め込んだ内装をしていく。キラキラと目が痛くなるような下品な装飾ではなく、見た者が目を止めて心から芸術を感じてくれるような内装をところどころに仕上げていく。
作っている間はユリウスには悪いが屋敷から離れてもらっている。出来れば完成してから見てもらいたいからな。
さて、部屋の仕切りもある程度出来たし、どんな部屋を作っていくか考えなくてはいけないし、俺の拠点に繋がる秘密通路も作らなくては行けないからやることは山程あるな。俺は一旦地下から出てから屋敷から拠点までの方向と距離をある程度メモして再び地下に戻り、調べた方角へ向けて一直線に掘り進んでいく。
「ナイト様はユリウス様の屋敷の魔改造に行ってるからディスはその間に頼まれた物を作るです。それにしてもこのレールとかトロッコと言うのは出来たら便利です。アイテムボックスが無くても荷物を1回でたくさん運べるからきっとみんな楽になるです」
ディスはナイトから開発を頼まれたレールとトロッコを作るために設計図を引いていた。もちろんディスなので普通に作るだけでは飽き足らず魔石を使ってのロケット機能を作っていて、後に知らずに使ってしまい余りの加速に脱線して死にそうになってしまったことをナイトに怒られることになるとはこの時は考えていなかった。
「んっ?なんか壁の奥が騒がしいですよ、ここは地下だから壁の奥には何も無いはずなのに」
ディスの感じた騒がしい感じがどんどん近づいてくるのを感じて流石に作業を止めて警戒しだした。そして、ついにその正体が明らかになる
「よし、無事にたどり着い…たぞ。アレッディスそんな角で小さくなってどうしたんだ?」
「どどどどーしたじゃないですよーナイト様。ディスはディスは近づいてくる謎の気配にどれだけ怖い思いをしたか、なんで、どこから出てきてるんですか?」
「あー、それはすまない。今はユリウスの屋敷から拠点に向けての秘密通路を作成していたところで、方角時にまっすぐ突き進んできたから驚かせて悪かった。ところでもしかして今つくっているのは?」
「はいなのです、これはナイト様から聞いたレールを作ってるです。あとは量産していくのでまた素材をお願いしたいです」
「さすがディスは手が早いな、素材は任せてくれ。残りのトロッコも楽しみにしているからな」
この時トロッコの進み具合を確認しておけばと後に後悔するナイトだった
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