第262話初体験

「3人の事情はわかった。ディスも大変だったな巻き込まれて」


「ディスは大丈夫ですよ。ただディスにもちょっと困ったことがあってその」


「そうなんですよ。その絡んできた連中の内の一人にお前は我らに迷惑をかけた詫びとして妾にしてやるからついてこいって」


「はーどこにでもいるんだなそんなやつが誰かのことを思い出してしまったよ」


「そうですね、決して忘れてしまったとかは無いんですが昔の事を思い出してしまいましたね」


「それじゃこれからの方針だがまず三人はユリウスさんに保護してもらおう。あの人なら事情を話せば無下にはしないだろう。次にティナと一緒に被害にあった人への治療をするからヴィオラにはタタナクナールとハエナクナールの治療薬を分けてほしいんだが」


「もちろん治療薬はあるから分ける……けど」


「何かあるなら言ってくれ、俺に出来ることは何でもやるから」


「私たちに乱暴をしようとあの三人は治療したくない」


「それはそうだな、だがそうなるとその3人の特定に誰か1人でいいから残ってもらわないといけなくなるがいいか?」


「大丈夫、私が残る。奴らは絶対治療しないし、とことん追いつめないと気がすまない」


 ヴィオラが、ここまで怒るなんてこれは相手の方が可哀想になるな。


「ならヴィオラはすまないが俺と一緒に動いてくれ、マリアはリザとディスを連れてユリウスのとこまで頼む。時間が経てば見つかる可能性高くなるからここは一気に行ってしまおう」


「わかりました。ユリウスさんに二人を保護してもらったら私もまた合流しますので」


「頼む、マリアが来てくれたら心強い。この状況きっといい方に向いても悪い方に向いても必ず少なからず血は流れてしまうだろう、それなら少しでも早く終わらせて流れる血を少なくさせる」


 すぐにマリアは二人を連れてユリウスさんの所に戻っていった。


「それじゃ次はこっちの番だな。ヴィオラすまないがヴィオラの体力では三人を見つける前に他の奴らに捕まって余計な争いをしなければならない」


「そうね、私の体力じゃ正直お荷物にしかならないのはわかってる。けど、それでも私はついていきたい」


「わかってる、だからヴィオラには申し訳ないけど抱きかかえさせてもらって移動させてもらう。ヴィオラは上から三人を見つけてほしい。その三人を対処してから今回の騒動にケリをつける」


「必ず見つけてみせる。あの三人の顔は今でも脳裏に焼き付いているから」


 俺はさっそくヴィオラを抱きかかえお姫様抱っこの形でしっかりと落ちないように首に手を回してヴィオラに頼んだら何かボソボソ呟いていた。


(うっまさかこんな形で初めてのお姫様抱っこを経験するなんて思わなかったわ。それにしてもナイト様は思ったよりガッシリしてて男らしいのね。これなら私も………ダメダメバカなこと考えてないで早くあの三人を見つけなきゃ)

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