第230話デート2
俺は、手当たり次第に食材などを買ったりどのように使っているかを聞きながら新しい料理をどうやって皆に振る舞うか考える。
そんな俺をマリアは、楽しそうな笑顔でこちらを見ながら横を歩いていく。あ〜この笑顔の為なら何でもやれそうだ、この笑顔を守れるように頑張らないといけない。
食材などもある程度満足出来るまで買い占めたので次の場所に移動する。特に目的も無く歩いているので迷子にならないようにだけは気をつけなければならない。
さすが王都だけあって広いことを実感する。次に目がついたのは装飾品などを取り扱う露店だ。マリアはやはり女の子だからか目の色が変わった気がする。
「ナイト様、装飾品も色々ありますね。店ごとにまったく違うデザインが違っていて目移りしてしまいます」
「確かに、これだけデザインが色々あると悩んでしまうのも分かるな。マリアにどんなものが似合うだろうな?」
「わっ私なんかこんな立派な装飾品なんて、見るだけで満足しちゃうので」
マリアはそういうがやはり男としてはなにか買ってあげたい。それに、マリアがかわいくなるなら買わない理由は無いからなにかプレゼントしよう。
色々な露店をゆっくり見ながら歩いていると、マリアの足が止まり一つの露店をじっと見ていた。
マリアが足を止めた露店は髪飾りをメインに扱っている店で、小さな物から少し大きめの物まで色々置いていた。
「これはまた可愛らしいお客さんが来たね、良かったら付けたりしながら選んでいっておくれ。どれもこれも自慢の一品だよ、付けた姿が見えるように鏡も用意してあるからね」
話しかけてきたのは気の優しそうな顔をしたおばあさんだった。鏡も用意してくれているのは助かった。気に入ったデザインがあっても付けたらなんか違うとかはよくあって買い物を失敗したなとかあるがこれなら付けている姿も確認出来るので失敗はないだろう。
マリアがこちらをそわそわしながら見ているのでお言葉に甘えて色々試して貰うことにした。
マリアが楽しそうに鏡を見ながら夢中に色々試しているとおばあさんの方から話しかけてきた。
「ずいぶんとかわいらしい彼女さんじゃないか、大事にしてやらないといけないよ。ほらっ店には出してない特別品だよ。似合うやつを選んでやりな、サービスしてやるから」
「いやいや、サービスってまだ買うとも決まってないから」
「あの子を見てみな、女の子はいつでも大事な人にかわいく見てもらいたいもんなんだよ。それを理解して買ってやるのが出来る男ってもんさ、それに領主のそばにいる女が着飾るのは当たり前さね」
このおばあさんは何者だ?俺は一言も自分が領主だとは言ってないのに
「そんな警戒しなくて大丈夫だよ。私はたまたまこの前の収穫祭に参加していて領主様の顔を覚えていただけだからね。あの時の悪徳貴族を成敗するのは見ていて愉快だったね。商売をしているとどうしても野蛮なやつはいるからね、見ていてスッキリしたよ」
なるほど、あの時来ていた内の一人ってことか。それなら、俺が領主だと知っていてもおかしくないな。
「そういうことならお言葉に甘えさせていただきます」
俺は、おばあさんが持ってきたものの中から一つ選びおばあさんに渡す。
「ほーなかなか良いものを選ぶじゃないか、これならあの子にお似合いだろうね。もしよかったらこれからも贔屓にしておくれ」
俺がおばあさんと話しているとマリアもお気に入りを見つけたらしいので一緒に買うことにした。
「マリア気に入ったのがあったら良かったらプレゼントさせてくれないか?デートの記念に」
「えっいいんですか?でっでもティナ様をさしおいて私なんかが」
「それなら、マリアがティナに似合うと思うやつを選んでくれないか?二人にプレゼントさせてほしい」
「う〜自信はないですが、精一杯選ばせてもらいます」
マリアはそこから再び時間をかけながらティナに似合う髪飾りを選ぶのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます