第3話 能無し いやユニークスキル見えないの?

朝早く起きて、軽めに日課であるランニングをしたあと身支度を整える。

 今日は継承の義だ。貧乏貴族の三男であるが、それでも平民より良い生活をしているので身だしなみには気をつけなくてはならない。

 身支度を整え馬車で、20分ほど進んだ先に教会に向かう、そこで継承の義を行う。普段は誕生月の子供が一斉に、集まり一気にやるのだが、そこは貴族の特権で俺一人だけ受けにきた。


神父の前に立ち、お辞儀をして静かに待つ


「リラックスして気を楽にしなさい。すぐに終わるからね」とやさしく話しかけてもらい目をつぶる。 

 神父が、呪文を唱え肩に手を置かれた瞬間、目をつぶっていてもわかるくらいの眩しさが周りを包み込み徐々に明るさがもとに戻る。その瞬間頭の中に機械音みたいな声がささやく


〈ユニークスキルを獲得しました。スキル喰らい(スキルイーター)を獲得 なおユニークスキルの為、スキルとしては表示されません〉


スキルとして表示されませんだ‥‥‥と つまりそれは


「申し訳ない 今回の継承の義でレイ様が授かったスキルはありません 先程の光はなにか事故のようです」


ちょっと待て待て、待ってくれよ。

 俺はたしかにスキルは持ってないがユニークスキルが、あ・・・るんだ。いやでもさっき確か頭の中にスキルとして表示されませんて言われたような。


これは不味いんじゃないか ・・・・・



俺は親の顔を見るために、オイルの切れたロボットみたいにギギギと聞こえそうな、硬い動きで両親に振り向くと、そこには今まで見たことのない顔で口を震わせながら、こちらを子供を見る目ではなく明らかに軽蔑をした目つきでこちらを、見る両親の姿があった。


俺のことを大切にしてくれていると感じていた母親の目を見た瞬間、体の温度が一気に冷えたように感じた。人はあそこまで冷たい目をすることができるんだと感じながら

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る