第21話 勉強はちゃんとしよう

「学校近いってやっぱ良ーー」


「1年1組柳優さん、水城志歩さん、職員室まで来てください」


学校に着いてそうそう俺たち数学の先生に呼び出されていた。


「何をやらかしたんだよ?」


竜馬がニヤニヤしながら聞いてきた。


「......いや、分からん」


こう答えているが本当は何をやらかしているのか分かっている。


志歩と同棲を始めてから俺たち2人が勉強していただろうか?


答えはノーだ。


つまり俺たちは2週間近くノー勉だ。


ということはだ、高校の宿題を全くやっていないことになる。


そして今、提出物を出さなすぎてしびれを切らした数学の先生に呼び出しを食らったのである。


「一番最初の提出物をずっと出さない人は初めて見たよ」


職員室についてそうそう真っ先にそう言われた。


そのまま廊下に連れ出され


「提出物はいつ出せる?」


「「明日だします。すいません」」


2人揃って平謝りしていた。


「水城さんが怒られてる!」


「うわ!ほんとだ!」


廊下で怒られていれば当然注目も集まる。


しかも志歩がいるから余計に注目が集まる。


本当に恥ずかしかった。


「家帰ったら勉強しよう」


「うん…」


流石に公開説教は効いたらしい。


公開処刑が終わって教室に戻るとみんなから「何したんだよ?」と笑われた。


家に帰って溜まりに溜まった宿題をやっていた。


でも全く集中出来ない。


普段と違う環境なのも原因の1つだがもう1つ大きな原因がある。


それは志歩の服装だ。


何というか際どい服を着ている。


白くて生地が薄いワンピースを着ているっていうのもあるだろう。


特に胸元あたりが大変なことになっている。


少し黒い何かが透けて見えてる。


あと、黒い何かの下にある2つの山の主張がすごい。


「ん?どうしたの?」


志歩が俺の視線に気づいたらしい。


女性が胸見てるって分かるの本当なんだな…


「もしかして私に見惚れちゃった?」


訂正、全然そんなこと無かった。


「……いや、見惚れてない」


「その間はなに!」


その会話を最後に志歩はまた勉強に集中し始めた。


一方、俺は志歩の胸ばかりに目が行ってしまい集中を削がれ続けるのであった。


1時間後……


「終わったーーー!」


「え、はや」


志歩の宿題が終わった。


俺はというと……


「まだ半分くらいしか進んでないじゃん!ぷぷぷ〜」


ただでさえ集中出来なかったのに、クソむずい問題で足止めを食らっていたので半分しか進んでいなかった。


これでは志歩に笑われるのも当然である。


「志歩……もうちょっと厚着してくれ。集中出来ない」


正直に言わないで、今後もその格好でいられると男子高校生にとって色々辛いものがある。


「ふーん?これが気になっちゃったんだ〜」


そのまま胸元を少し引っ張ってみせた。


「やめて!?見えちゃダメなところまで見えそうだから!!」


「はーい」


やけにすぐに引き下がるな。


少し顔が赤くなってるけどもしかして自分でやっておいて恥ずかしかったのか?


(少しからかってやろう)


「あ、もしかして自分でやっておいて恥ずかしかったの(笑)?」


「違うし!!恥ずかしくなんか無かったし!ならもっと見せてあげるよ!!」


そう言ってさっきより強く胸元を引っ張った。


「ごめんなさい、冗談です」


黒い布地が若干見えかけてた。


これから家で集中して勉強できるかな?


純粋に不安になった。



後書き


土曜授業の存在を忘れていて書くのが遅くなってしまいました(←言い訳)






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