第14話 幼い頃の思い出
「ねえーしーちゃん!もっと遊ぼうよ~」
「えーつかれたよ~」
俺には小学生の時まで仲が良い友達がいた。
でも中学生の時にいじめが原因で転校していってしまった。
俺が一番近くにいて助けられたはずだったのにいじめに気付くことすら出来なかった。
俺は小学生の頃も格闘技をやっていて身体が大きく力も強かったから、俺が休みだったり見ていないときにいじめられてたらしい。
本人も言わないように脅しをかけられていたようだ。
いじめてる人も俺と喧嘩をしたら負けると考えたのだろう。
小学生にしては陰湿ないじめだ。
中学生になって親から聞いた話と周りの反応で察しがついた。
(こいつらがいじめてたんだな)
答えるとは思ってないが虐めていただろう人に
「いじめをしたことがあるか?」
と聞いて回った。
すると1人だけヘラヘラと笑いながら
「あーしたことあるよ(笑)」
そう言った。
頭の血管がはち切れそうになった。
しーちゃんをいじめて転校させた挙げ句、全く反省しないで笑っている。
殺意が湧いたが頭の中は冷静だった。
俺がここでこいつらに殴りかかっても事情の知らない先生から見れば急に殴りかかった俺が悪く見える。
一人一人復讐してやろう。
そう思い一週間に1人ずつ、休み時間に体育館裏へ呼び出し問い詰め、反省してないやつを殴り反省させていった。
みんな直ぐに「本当にすいませんでした」と言って逃げていく。
ただ、あの日は違った。
最後の奴が、俺が復讐している事に気づいたらしい。
呼び出してそうそうしーちゃんの事を好き放題言いって俺を怒らせに来ていた。
結果、俺が手加減なしで顔面を何発も殴った。
虐めてた奴は鼻血を出し、歯も折れていた。
殴られる前の威勢は消え、許してくださいと泣きじゃくっていた。
当然、そんな怪我をしていたら先生も何があったのか質問してくる。
すると、そいつは先生の前でこう言った。
「こいつが何もしてないのに殴ってきたんです!」
そこからはもう俺が悪い方向へと向かっていった。
先生は怪我を見てぶちギレたのか俺の話を聞こうともしないし、何より同級生たちに冷たい目で見られた。
仲の良かった友達とも縁を切られたりした。
そこで唯一俺の話を聞いて理解してくれたのが竜馬だった。
竜馬のおかげもあって、幸いいじめには発展しなかったが、俺のあいつらに対する怒りは消えないままだった。
俺は自分で言うのもなんだが頭が良かったので、同中から人の来なそうで偏差値の高い京葉高校にしたのだ。
あの子は今頃どうしてるんだろうか…
「おい、柳。起きろ」
「んあ?」
「初っ端から寝るとは良い度胸してるな?」
物思いにふけていたら寝てしまっていたらしい。
上を見ると理恵先生がニッコニコで俺を見ていた。
周りのクラスメートはニヤニヤしながらこちらを見ていた。
「先生、プリントを職員室に忘れてしまったんだ。寝るほど暇なら取ってきてもらえないか?」
「え…」
「学級委員長なんだし、な?」
また微笑んで俺を見てきた。
めっちゃ怖いんですけど!
「はい…わかりました…」
立って周りを見ると隠すつもりもなく笑っている人がたくさんいた。
「くそっ…」
「あははは〜」
ついにみんな声を出して笑い始めた。
完全に自業自得である。
俺は先生に言われたとおりにプリントを取りに行った。
「いや重っ…」
39枚のプリント束が4つあり、めんどくさがりな俺は一気に4つ運ぼうとした。
プリントを持って教室に入ったら先生に驚かれてこう言われた。
「そんなに沢山運べるならこれからもよろしくな」
「はい…」
俺に拒否権はなく、先生の奴隷としてこき使われることが決定した。
「あ〜〜〜!疲れた!」
家に帰って俺はソファーにダイブした。
今日は散々だった。
授業中に寝てしまうし、プリント運ばされるし、みんなの笑い物にされるし(自業自得)。
「ガチャ」
志歩が帰ってきたらしい。
「お疲れのようですな、居眠り君(笑)」
「もう笑ってんじゃねえか」
「クラスメートにもネタ枠認定されてたよ(笑)」
「これ以上傷口を広げるのはやめて?」
志歩は「分かったよ〜」とは言ったもののずっと笑っていた。
「ねえ、明日どこか出かけない?」
「良いけどどこに?」
「食べ歩きとかしたい」
「変装完璧にするなら俺は良いよ」
「やった!」
こうして俺たちは明日出かけることになった。
(何もやらかさないように釘を刺しておこう)
やっぱりそこの不安は拭えなかった。
後書き
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小説名を変更しました。よろしくお願いします。
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