第7話 マジでバレるって!!

「ん〜〜〜〜~!」


買い物という題目で出かけた俺らは今、クレープを食べていた。


志歩はニッコリ、俺はげっそりしていた。


なんでげっそりしているかって?


俺がこのお出かけで何回ヒヤヒヤしたと思ってるんだ!!


ただでさえ金髪赤目で目立つのに、志歩が志歩自身のグッズ売り場に入って行ったり、メガネ落としたり!


志歩の危機管理能力は酷いものだった。


特にグッズ売り場に入って行ったときはビビった。


周りは志歩のファンばっかで、俺より志歩の事を見てきている人間だ。


普通に考えてバレると思っていたが客にチラッと見られたくらいで済んだのが驚きだ。


メガネで誤魔化せるってアイドルの時どんだけ能天気な顔してるんだか。


他にも色々ヒヤヒヤさせられて俺はげっそりしてしまっていた。


「優くん!このクレープすごく美味しいよ!一口上げる!」


「あーん」


そして俺はそのまま志歩が差し出したスプーンを口に入れた。


今、志歩が食べているのはチョコクリームバナナクレープらしい。


口の中でチョコとさっぱりしたクリームが混ざり合い程よい甘みを生み出してるのがまた良い…


というか俺は何をされた?なんか普通に受け入れてしまったが。


周りを見るとDQNぽい奴らが


「ちぇ、あいつ彼氏かよ」


と言って去って行っていた。


「私たちカップルに誤解されちゃったねっ」


「いやなんであーんした?」


「別に許嫁だから良いじゃ〜ん。されて嫌だった?」


ここで嫌と言わないとまたあーんされる未来が見える。


「いや、嫌ではないよ。いきなりでびっくりしただけ」


「なら良かった〜。はい。あーん」


ほらみろ!こうなった!!


俺にだって羞恥心はあるし、相手が美少女となると余計に恥ずかしくなるんだよ!


でも、ここで俺が恥ずかしさを理由に拒否ると志歩がシュンとする未来が見える。


だから俺に拒否権はない。


「あーん」


「あーん」

  :

  :


志歩は食べているのだろうか?ほとんど俺が食べている気がする。


よくよく考えると志歩はここに来てからずっと飴だのガムだのコロッケだの色々食べていた。


「なあ、まさかお腹いっぱいになったから俺に食わせてるとかないよな?」


「………そんなはずある訳ないじゃん」


「いや、あの間は絶対あるだろ」


「てへ、バレちゃった。恋人に食べさせるの憧れてたからやってみた」


「今までに彼氏いた事ないの?」


「だってアイドルやってるから恋愛出来なかったんだもん…」


少し俯いてそう言った。


アイドルだとやっぱりそういう事あるんだな…


確かにそれが理由なら仕方ないか…


よし!もうプラスに考えよう!


超絶美少女にクレープを食べさせて貰えるなんてこの上ない幸福なんだ!


俺はそう思うことにした。


「あーん」


正面に座って食べさせてもらえるから志歩の顔がよく見えるがマジで綺麗だな。


シミ、ホクロ1つ無いし産毛も生えていない。


正真正銘の卵肌だった。


そんなことを考えながら俺は志歩が差し出してくるスプーンを口へ入れていた。


「ガタッ」


真後ろの席の誰か来た。


すると中学時代によく聞いた声が聞こえた。


「いや〜、久しぶりに会ったと思ったら彼女とお熱いね〜」





後書き


投稿遅れてしまいすいません。










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る