第60話 母からのLINE

「困った事がある」と母からLINEが入る。

「夜電話するね」と返し

仕事が終わってLINE通話するが

声が良く聞こえない。

『友達のネットワークが不安定です』と表示が出ているが、これもまた字が小さくて。

母の方にも何か出てるんだろうけど

この小ささでは読めないだろう。

多分 月末のデータ制限か、

又は引っ越したから場所的な問題か。

家電話があった方が良いが、またろくでもない

オレオレとか、不用品引取りだのの電話が入るのも困る。

スマホの回線で電話すると高いし。

使ってないでお金だけ払ってる回線があるが

電話が壊れてるから、機種変更しないと使えなくて

でもあれを使うのが結局一番安いよね

あれなら通話は無料のはず。

母の所にWi-Fi引こうかも迷っているが

考えが纏まらない。

迷いの理由は、面倒くささだ。

面倒と思う理由は わざわざ動いたのに上手く行かなかったらどうしようって心配だ。

まずはどれか一つ、動いてみないとどうにもならないんだけどね それはわかってはいる。


とりあえず、何でかはわからないが

最後の方で声が聞こえて 母の困り事は理解した。

曰く「スマホで電話したら『番号選べ』と言われるが、番号どうやって出すの」って事だった。

そもそも必要な電話かどうかも気にはなる所ではあるが 母は「どうやって出すのかを知っておきたい」と。週末、行った時にやろうね と約束した。

私は、自分の「こうしたい」が余り強くない人間なので、相手の「こうしたい」を酌むのが苦にならない。

これが姉だったら すぐに「そんなのこうすればいいじゃん」が始まる。そして相手を小馬鹿にする。

そういう、『自分は賢い』と思い込んでいる所が

聡明さとは真逆なんだけど

自己評価の高い人って、付き合いづらい。

なんて、考えなくても良い事を考えて

日々、いらないストレスを抱えてしまう。

姉は他人へのストレスを撒き散らし

私はアホの様にそれを吸収してしまう。

しかし 

姉は姉で、別のストレスを抱えているのかな?

決して仲良くはないので、姉兄の心の中の事は興味がなく、よって わかる事もない。

『何を感じているのか知りたい』と思うのは多分

相手の事が好きな時だけなんだろう。

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