第52話 つばめの巣
昨年、燕の巣が出来た時
私は嬉しくてウキウキしていた。
しかし、同じ階のうち二軒の人は
「いつも払ってたのに…目を離した隙に出来てしまっていた」と言っていた。そのうち一軒の人は
「燕は可愛いけど、臭いがね」と言った。
まぁ確かにね。まだ燕が来ない今も、臭いは残ってる位だ。しかしまぁ、そんなおっさん達も
やはり赤ちゃんを見ると「かわいいなぁ」と喜んでいた。小さい者や弱い者が慈しまれるのが、住み心地の良い場所だ。他方、弱い者を邪魔者扱いしたり
搾取の対象としか思わない場所もある。
劇場で「千と千尋の神隠し」を観た時、まだ小学校低学年だった娘たちは 同じシーンでオイオイ泣き出した。それは、優しい方の湯場ぁばが出て来た場面だった。そこまでが余程怖くて、そして優しい人が出て来て安心したんだろう。
実際の搾取は千と千尋とは違いもっとずっとおぞましい事だが、それはそれでまた本能的なもので、止めろと言ったからと言ってなくなるものではない。
本気で止めさせようと思うなら、死ぬ気でかかる必要がある。対抗するなら、自分が一体どうしたいのかを
具体的に思い描いて、やり遂げるまで迷わず続ける必要がある。搾取する側は、自分がどうしたいのかを明確にわかっている。わかっていて、普段からどうしたら思い通りになるかを考え尽くしている。
相手は犯罪者だ。
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