第41話 硝子戸の中

母のベッドの枕元にあった

「硝子戸の中」を読んでいる。

何て面白いんだろう と改めて思う。

まるで コンタックスで撮った写真みたいだ。

何でもない風景が夏目漱石の言葉で語られると

キラキラ光り出し

美しく詩的なものに変わる。

純朴な、若芽の様に飾り気のない美しさ。

本物の大人だけが持っている優しさ。

唯一無二の人であり、他にこんなに素晴らしい人がいるはずがないと思わせる。

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