第7話 スピーカー
外に出るととても暗かった。
なんか紙が落ちてるので拾ったり、ボタンっぽいのを押したり...
私はおぶってもらってるからオピラちゃんに指示しちゃってた...
ホントは天使の羽があるから平気なんだけど、優しいオピラちゃんの言葉に甘えたかった。
天使の羽は一応疲れるから...
とりあえず橋で繋がれている向こう側に行くことに。
扉を開けると...あぁ、やっぱり。
「明るいね、猫空。」
「だねぇ...」
そろそろスピーカーから...
【こんにちは、お嬢さんたち。】
「ddd誰ぇ!?」
「...」
やっぱりね。この声は彼だ。
【おや、どちらも驚くと思ったが...そっちの方は冷静だね。】
「まぁたしかにそうかな...それよりも、なんで話しかけてきたの?あとどこから話してるの?」
原作通りじゃなくなってきてるからちょっと原作通りの感じになるよう誘導した。これならいいかな?
【あぁ、そうだった。実を言うとな...僕は監視室に閉じ込められたんだ。それで助けを求めるためにスピーカーで話しかけてるんだよ。その監視室は君たちの居るとこから左にある水色の扉だ。ただそれが...】
そっから少し長い説明を受け...
【...ってことなんだ。協力してくれないか?】
「...オピラちゃん、どうする?」
「助けます!」
【...オピラ?オピラバードのことか...?ボソッ】
「どうしたんですか?」
【...あぁ...質問なんだが...そのピンクのお嬢ちゃんはオピラバード...なのか?あの鳥の...】
「そうだよ!私はオピラバードだよ!」
【...なぜ人間になってる?なぜ人の言葉を喋れ、理解できる...?】
「それは猫空が―――」
「そこら辺は秘密です!ささ、行こ!!ね!!」
「...あ、う、うん...?」
そして説明で知った扉についさっきオフィスのとこから取ってきたキーカードをかざして中へ入る...
ここにはあの青い子がいる...
迷路のようなとこをくぐり抜け、ようやく辿り着く。
そこにある水色のカードキーをオピラが手にしようとした瞬間―――
「待って!!取らないで!!!」
一旦ストップを掛けた。
「なんで?」
「それを取ったら、多分入口近くに居たナブナブってキャラが襲ってくると思う。」
壁に書かれた青いクモの絵。隣には励ましのような言葉。
あいつが、来る。
ナブナブくんはめっちゃ凶暴...でもボッチなゆえに光が嫌い。
だから光のとおりに行くんだけど、それをオピラが理解していないと食われる。
だから一通り話した。
「わかったけど...なんでそんな事知ってるの?」
「...そこらへんは言いたくないかな。」
「猫空がそう言うなら追求はしないでおくね。」
「ありがとう...じゃ、カードキーを取ったらダッシュで。」
「わかった。」
オピラちゃんがカードキーを取った瞬間、光が消えていく。
同時に青い動く物体。
「あれが...ナブナブ...」
リアルで見る彼は怖かった...と思ったら体が動いて―――
いや、どっちかって言うとオピラちゃんが動いているのかな。
オピラちゃんもまずいと思ったらしく全速力で光の方に走る。そして戻ってきた。
「ハァッハァッハァッ...」
「オピラちゃんありがとう...無理しないで。ここで休んでて。私が監視室の人を助けに行くから。その人と戻ってくるまで待ってね?」
「...え、ちょっと待って...」
オピラちゃんが居ると原作にも影響しちゃう。
後で来ると願って...
「監視室の人...大丈夫ですか?!」
とりあえず演技をしてから...
「返事来ないなぁ...寝ちゃったのかな?開けますよ〜?」
ガチャッ
「誰も居ない...あれ、この紙はなんだろう?」
ここまで演技して思った。
もしこれで...殴ってくる彼の攻撃を避けてみたらどうなるんだろう?
原作通りの方がいいとは思ったけど...やっぱり好奇心がある。
この紙を取れば...ちょっと後ろ振り返ってみよ。居ないね。
入り口とかちょっと確認したけどやっぱ居ない。もしかしたら死角に居るかもだけど...
とりあえず紙を取って...小さく唱える。
《分身》
これで当たり判定も何もない私が出来た。
あとは反対の部屋の隅に行き、手紙の内容を読む。すると...
シュッと赤い人が分身を素早く殴る。
その衝撃で分身は消えた
「!?」
「やっぱり罠だったねぇ。」
彼―――バンバンは、とても驚いてるように見えた。
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