出陣式  ~ある少女達の誓い~

読んで頂けたら、うれしいです!

第1話 壮行会

『皆さん、おはようございます!』


 雨粒に負けないほど、元気な声が、体育館に響く。

 補欠を含めた15人の少女達が、同じ服装で壇上に並び、真っすぐに前を見ている。


「本日は、お忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。」


「私たちが練習に専念できたのは、指導してくださった監督、コーチをはじめ、先輩、仲間の支えがあってのことだと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。」


 少女は、先生や各学年の生徒にアイコンタクトを送るため、少し間をあけた。


「これまで支援してくださった、皆様のご期待に応えられるよう、大会では練習の成果を発揮し、 “アレ” を目指します!」


 18年振りの“阪神”の“あれ”という、時事ネタもスピーチに、盛り込んだ。


「引き続き、大会当日の沿道で、選手の名前を呼んでの、ご声援を、よろしくお願いします!」


 甲子園での“慶応式”の応援により、少しでも、良い結果を狙う。

 うちの選手は、名前で呼び、大きな声援を送るが、他校の生徒への応援は、拍手のみに留める作戦だ。



 必勝を誓う少女のスピーチは、万雷の拍手に包まれた。

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