178話、メンバー選定
朝ごはんのおかわりを食べてる時に、ゼストが「そういえば」と切り出してきた。
「迷宮都市の件、特定できたぞ」
「おっ、じゃあ?」
「ああ。今日か明日にでも向かうか?」
エリスが居る迷宮が確定したので、そこに向かう事になる。
用意するものなんかはレティとアリスに任せるとして、私は……
「用意はレティとアリスに任せるけど、私はなんかやることある?」
「用意も自分でしろよ…… まあアリスに任せる方が間違いがないか。そうだな、同行者を選んでおけ。出発は明日にしよう。迷宮都市までの地図と、件の迷宮への行き方は俺が明日までに紙に写しておく」
「わ、たすかる。ありがとね」
ということなので、今日は同行者を選ぼう。
何人連れていこうかな。
「ゼストは行く?」
「俺は街を護っておこう」
ああ、それはめちゃくちゃ助かるわ。
ひとまず、候補から。
マリア、ヒナ、ベルゼ、ハヤト、レギオン、カオス……戦えそうなのはそれくらいか?
レギオンとカオスはちょっと他にやる事あるから無し。
ベルゼも忙しいから無し。
ハヤトはこの街から離れたくないだろうから…… 一応でも声かけるか。
「あ、行かなくていいなら行かないかな」
との事なので連れていかない。実験とか開発とかできない環境には居られないだろうし。
じゃあ、いつも通り、マリアとヒナか。
イツメンってやつだ。でも、ヒナはこの件に関係無いのにいいのかな。
「侵入禁止の迷宮に入れるんすよね? もう今からワクワクっすよ! 置いてったら恨むっす」
とのこと。冒険者らしいね。連れていくしかない。
マリアは二つ返事で「いいのですよー」だったから連れていく。
女三人旅か。変なのに絡まれなきゃいいけど。相手が心配だから。
「ワシを忘れとらんか?」
…………あ。
いや、魔物は、ね、連れて行けないかと思って、ね。
「む、ムサシは、どう? 来る?」
「エリスとやらは神じゃろ? 神を護るための強い護衛がおるはずじゃろ? それを斬るのは…… ワシしかおらんじゃろが」
う、うん。
まあ、人間にしか見えないし、この世界では浮く格好だけど、服装は変えて頭はなんか帽子でも被らせればいいか。
それに、男……魔物だからオス? がいたほうがなにかとありがたい場面もあるだろう。
テイムしてるから、両方の意味で襲われる事も絶対ないし。ムサシは意外に紳士だし。
というわけで、迷宮都市へのメンバーは決まった。
私、マリア、ヒナ、ムサシ。
ヒナは迷宮都市に一度行ったことがあるらしいので、地図があっても迷う、なんて事にはならないだろう。
「わたくしもメイドとして着いていかせてもらっても?」
レティか。たしかに、向こうでの居室の管理とか任せてもいいか。角だけ隠そう。
というわけで、身の回りの世話枠でレティも追加。
さて、明日に備えて…… とりあえず今日の分のテイムと、魔物生成をどうするか考えようかな。
マリアと一緒に、城の地下二階に行くことにした。
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