140話、レギオンからの朗報
80日目、夜。
今日も色々あったわけだが、テイムがまだだ。
最近、城の地下に頼りすぎてる気がする。明日は地獄迷宮でもいこうか? いや、レギオンが十九層まで見てくれてるって事は、レギオンを連れていけばそこまでスキップできるという事だ。ハイランドの後でいいや。
それなら、うん、明日はどうしようかなぁ。
「明日のことは明日考えるかあ。さてさて、地下の魔物もまだいっぱいいるもんねー」
めちゃくちゃ強そう、って子はもうあまりいないけど、可愛い子はまだ結構居る。表の世界では絶滅していたりするような子たちだ。
どの子にするか、少しだけ迷うが。
「よし、テイム!……可愛いねえ」
今日も可愛い子をテイム。魔物情報を見よう。
クラウドシープ。
雲のように見えるほどキメ細やかな体毛を持つ羊。
大抵の肉食獣の牙は、その体毛に阻まれて肉まで到達しない。水が豊富な草原にしか生息せず、そのような場所は当然人間や他の魔物と取り合いになるため、ほぼ絶滅。クラウドシープの毛は、ミスリルシルクスパイダーの糸に並ぶ世界最高峰の繊維素材となる。
おお、この子の毛で毛布とかセーターとか編むのは良さそう。冬がどれだけ寒くなるかわからないからね。
じゃ、今日の魔物生成ではこの子を増やしておこうかな。最近はずっとメタスラちゃんを増やしてたけど。結局あの子が一番汎用性が高くてねえ。
「さてと。帰りますか」
城からの帰路。
家の前に、美少女魔王がいた。
「レギオンさん。どうしたの?」
「タキナちゃん、話がある。……いい話だ」
「おおう。とりあえず、おうち上がる?」
「お邪魔させてもらうよ」
レギオンを家に招き、とりあえずお茶の用意をする。マリアが顔をのぞかせたので、茶菓子の用意をしてもらう。お煎餅か、いいね。
「で、話とは?」
「ああ。地獄迷宮十九層に魔王カオスが居るのは聞いたね? なんでそんなところにいるのかって話なんだが、十九層にも魔大陸への隠し扉があったんだ。私の支配する魔大陸への侵攻のために、その場所を拠点にしていた、ってわけだな」
二十層にはエリスの場所へ向かうキーアイテムがあるわけで、それを守るふたりめの門番的な役割だと思っていたが、魔大陸への扉もあったのか。
魔王はテイム出来ないので、倒す必要がある。ちょっと気が重いが、やるしかない。
ていうか、隠し扉とか、アビスの迷宮二十層の扉とか、砂漠から海に繋がる扉とか。アレはいったい、誰が用意したものなんだろう。人為的なものなのか、過去の遺産のようなものなのか。まあ、わからないだろうし、いいか。
「で、ここからが朗報なんだよ。……魔王カオスは、強力な魔物を一体、従えている。それも、魔王カオスよりも強大な魔物だぜ? ……ははっ、笑えてきた」
「ほお、ほお。つまり……ははは、楽しくなりそうですね」
そっちは、テイムできる。
対魔王カオス戦、思った以上に楽に済むかもしれないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます