121話、開発と性癖
76日目。
昨夜のうちに、数万の襲撃があったらしい。
全てスケルトン系で、全てメタスラちゃんがなんとかしたらしい。
「もう、この街は大丈夫じゃないかな」
「いや、俺もそう思うぞ」
魔王級でも襲撃にこなければ大丈夫だろう。防衛力が高すぎる。
朝ごはんをマリアと食べ、ゆっくり紅茶を飲む。
今朝はパンケーキだった。ふわふわのスフレパンケーキ!
最高の小麦にゴールデンホルスタインのミルク、砂糖はゴールドからの輸入だけど、あとはウチで育った巨大鶏の卵にボイドビーのあつめた蜂蜜。
それはもう、美味くなるに決まっているだろう。当たり前だ。火を見るより明らか、パンケーキを見るより明らかだ。何言ってんの?
「マリア、今後はハチミツもうちょっと減らさない……?」
「い、嫌なのです」
うん……ちょっとね。グラブジャムンみたいになったスフレパンケーキ、あんまり見たくないな……。
さて、街の視察をしよう。
そういえば、ハヤトがなんか言ってたなぁ。あの人、兵器開発の事になると声がデカくて早口になるんだ。専門用語はちょっと噛み砕いて話してほしい。難しいから。
「スライムのコアと、レインボウスケルトンのコアを研究してるんだけど、今のところこれは兵器に流用できそうだなって感じだよ。たとえばコアのプログラミングを改変して、流体にした金属をコアと同期させると、自由に変形させられる金属武器がつくれたりする、かもしれない。でもさすがにメタスラちゃんとかをそのまま兵器にするのはちょっと心が痛むから、今はコア自体を作成出来ないか模索中だね。魔石にスライム化のプログラムを刻印するのが無難なのかな。ああ、コアをつくれたら、自立型のスライム兵器がつくれたりするんだけど。そういえばゴーレムのコアのデータはいっぱいあったな。……自由に使い潰していいスライムのコアがあれば、もっと簡単に色々できるんだけど。メタリックスライムアーマーとかどう? スライムの身体として流体化させたアダマンタイトを全身に薄く伸ばして着るんだ。ボディースーツみたいにね。強度はアダマンタイト、柔軟性はスライム。防具としてすごくいいと思うんだよね。アダマンタイトの魔化も研究中だけどね。でも生体をボディースーツにするにはちょっと。ねえタキナ、スライムの出てくる層があったら、魔物の派遣を頼んでいい? 出来れば環境適応型じゃないスライムがいいんだけど。コアさえ回収できればいいからさ。アームズゴーレムの改造もしたいなあ。せっかくドラゴンの素材もあるし、どうにか有機素材をゴーレムに組み込んだり出来ないかなぁ。魔法も使えるようにできれば……ああやっぱりコアの製作からかな。まずはゴーレムのコアの改造からデータを積み重ねようか。スライムコアの研究と合わせて進めよう。行動の自由度を広げたり……もう少し高度なAI化も、早いうちに試してみるかな。ひとまずの目標は、人造コアの実用化、そして既存生体コアの高度な改造の実績集め。最終的には、汎用人型流体金属体魔道人形をつくる……いやこれは趣味なんだけどね、戦えるAIロボットメイド部隊ってやつ。ちゃんと会話出来るくらいの思考力のある人造物がつくりたいんだよね。うわぁ、喋りすぎて性癖さらしちゃった。へへ」
う、ん。うん。
つまり、なんだ。がんばって自分の仲間を増やしたいって事だろ、オートマトンのハヤトさん。
難しい話は置いておいて。
研究、頑張ってね。うん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます