119話、たこ焼きは揚げ焼き派


「たこやきなのです!カリカリに焼くのです」


「俺もカリカリ派なんだよな」


「私もカリカリにしたいな」


「みんなたこ焼き舐めてるわね」


マナさんはふにふに派か。


74日目、夜。

今朝に宣言した通り、今夜はたこ焼きパーティだ。

カリカリ焼きの派閥と、ふにふに焼き……やわらか焼き?の派閥でだいたい半分にわかれてる。

出汁に漬ける派閥もある。私はたまにやるけど、やっぱ普通にマヨとソースが好きだなあ。


マリアがカリカリに揚げ焼きされたたこ焼きに、これでもかというくらいのマヨネーズをかけて食べている。あれもうマヨネーズを食べてるよな。


「今日は中身はなにがあるんだ? 」


「ゼストの好きなチョコとかもあるよ」


「……チョコは嫌いではないが、美味いのか、チョコ入りたこ焼きは」


「知らなーい。誰か当たった人いる? 」


「わたくしですわ!チョコ……いや、あの、お、美味しいですわよ? ただ、別で食べた方が圧倒的に美味しいといいますか」


ま、そうなるわな。

ほかにもいろいろ、奇抜なものを入れたたこ焼きがあるようだ。


「魚入りとお肉入りは安定して美味しいね」


「でもやっぱり、結局タコ入りが一番いい気がするのです」


「たしかに、他のも美味しいけどねぇ。やっぱたこ焼きはタコあってこそね」


まあでも、そのマヨネーズの量は、味もよくわからなくないかな?と思った。マリア、体壊さないでね。





75日目。

今日はアビスの迷宮十八層をクリアしたい。


朝ごはんに出汁炊きタコ飯を食べて、いつもどおり昼前まで散歩、じゃなくて視察。


「今日の兵器はコレ!コレは魔動ラジコンドローンていって、上空から精密に偵察と攻撃ができるようなのをつくりたかったんだけど、まあ空飛ぶ魔物が敵にいたら一発で破壊されるからちょっとお蔵入りかなぁと思ってるんだよね。安価にして爆弾括りつけた特攻兵器にするか、もう偵察用途に振り切って静音軽量化で長時間駆動にするか、うーん、どうしたらいいと思う? 」


「へー、カメラついてるんだ。凄いねぇ。これなら偵察一本でよくない? どこまで飛ばせるかによるか……」


ハヤトは今日も絶好調みたい。


アビスの迷宮へは、いつもどおりのメンツでいく。

私、マリア、ヒナ、そしてメタスラちゃんとメタスラ二号。

今日は三号を増やそう。ヒナに持たせてあげるね。




アビスの迷宮、十八層。

やはり目が痛くなる。


「はやくクリアしよう」


「チカチカ嫌なのです」


「敵は強くないんすけどねー。ボスはどんなすかね? 」


カラフルなボスかな。カラフルなボスって言葉面白くない?


カメレオンやらトレントやらを倒しつつ、新しい魔物も発見。

カラフルな鳥だ。嘴がデカい。そして弱い。


「美味しいんすかね」


「んー……とりあえず持って帰るかな。メタスラちゃん、お願い」


肉が美味しいなら……と思ったけど、別にここにこの鳥だけ取りに来るのもめんどくさいな。ひとまずお試しって事で。毒はなさそうだから。


「カメレオンも美味しいのです? 」


「カメレオンは……え、どうなんだろ。一体だけ持ってかえろうか」


「収穫はトレントだけかと思ったっすけど、もしかしたら良い階層かもしれないすね」


ね。美味しい階層かもしれない。まだわかんないけど。

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