116話、邪神討伐隊


マリアが帰ってきた。今夜はパーティだ。


「まずは、みんなにお話があるのです。みんな集めてほしいのです」


おお、なんか……マリアが成長している。気がする。大人びたかも?





ゼストの城、会議室。


マリアと、ドラゴニュートの代表、ヴァンが前方に立っている。

席には、ゼスト、ベルゼ、アリス、ハヤト、イサム、マナ、レギオン、アデクが座っている。


「まず、情報のすり合わせをしたいのです。我々の敵は一体誰なのか。ハッキリさせたいとおもうのです」


やっぱりマリアがいつもと違う気がするな。なんというか、ハキハキしてる。


「俺は、この世界に呼び出された時、女神様には『この世界を救ってください』と、そして王様には『魔王レギオンの魔の手からお救いください』と言われました。つまり、俺たちの当初の敵は、レギオンさんでしたね」


イサムの発言に続いて、レギオンが発言する。


「世界で魔物を操って暴れ回ってるのは、確かに私の権能だ。だが、それはエリスに奪われた私の一部を、勇者ライトってやつが使ってる、ってところまではわかっている」


続いて、エリスの元にいたアデクが声を出す。


「世界を混乱に貶めているのは、エリスの癇癪であると同時に、魔王カオスの力を増すためでもあります。エリスの癇癪で生まれた魔物たちを、勇者ライトが支配し、暴れ回らせることで魔王カオスの力を蓄えている。……そして、我が主、魔王カオスは、エリスに心身ともに支配されてます」


つまり。


「我々の敵は、魔王レギオンでも、魔王カオスでも、勇者ライトでもなく、邪神エリス、って事か」


「そうなりますね」


ゼストとベルゼも、納得したらしい。


「つまり、邪神エリスを倒せば全部解決なのです! ここに、邪神エリス討伐隊を結成するのです!」


お、おー! ……え、マリアが仕切るの!?


「リーダーはイサムに任せるのです」


「え俺!? マリアがやる流れじゃない!? 」


いやたしかにイサムが残当だけど。今代勇者だからね。でも急にふられてびっくりだろうな。


「てか、邪神エリスってどこにいるんですか? アデクさん、知ってたりします? 」


そうね、そもそも場所がわからない。

アデクはエリスから逃れてきたって言ってたし、なにか知ってるかも?


「それが、俺にもわからないんです。エリスの居る場所は、エリスに招かれないと入れない。そして、エリスの神殿は、空中を移動していて……我々のいる所とは別の空間にあるので、見つける事もできないのです」


見えず、招待されないと入れず。そしてそこに行って戦わないといけないのか。大変だな。

まったくどうすればいいか検討もつかない。


みんなが唸ってる中、レギオンが私を見ながら口を開く。


「私が世界中を調べた中で得た情報だが。昨日、地獄迷宮とアビスの迷宮があやしいと言っただろう? アレの続きなんだが……地獄迷宮の最奥には、エリスの神殿への鍵がある、らしいぞ」


地獄迷宮、はやくクリアしなきゃいけないじゃん!

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