77話、巨大メタリックスライム娘
「なにをしたんだ?」
朝イチ、目覚めた瞬間、ベッドの上で、ゼストに詰め寄られている。
これはなんのプレイだ……?と思っていると、外をみろ、と言われる。
「アレだよ、アレ。なにをした?」
そこには、巨大なスライム娘がいた。
「え?」
54日目。
今私は、家の裏にいる。
「なにがどうなって、え……? わかんないどういうこと?」
目の前には、小さなスライム娘と、超巨大なスライム娘がいる。
どういうこと?
「あ? タキナが何かしたわけじゃねぇのか……?」
「え、知らないです……なにこれ、こんな面白い事になるならすぐみんなに言いふらすでしょ」
「……たしかに。疑ってわるかったな」
そんなことより。
スラちゃん……だよね、多分。スラちゃんにどういうことが聞いてみる。
スラちゃんが言うには、スライム娘と肉体情報の交換をしたそうだ。なにそれ?
その結果、スラちゃんは巨大スライム娘の姿になれるようになったし、スライム娘は体液を都合よく変化させられるようになった。
これはゼストも知らなかった事だが、それも無理は無い。スラちゃんにしか出来ないことらしい。
てことは……
「メタスラちゃん……」
「おい、マジか、やるのか」
メタスラちゃんもスライムだ。できるよな……?
できた。
巨大メタリックスライム娘……マジか。なにこれ。ニッチすぎるだろ。
「おいおい……俺が苦労して見つけたマジックメタルスライムがこんなことに……」
そういえば、マジックメタルスライムはゼストの城の地下でテイムしたんだったな。忘れてた。
ていうか、魔法はさすがに使えないよね?
うん、つかえるわ。普通につかえる。
メタスラちゃんと違って初級魔法だけだけど、ちゃんと全属性の魔法が使えるようになってるよスラちゃん。やばくない? めちゃくちゃデカい体が明るく発光したり、燃えたり、凍ったり……いや、この質量でそんなことされたらちょっとやばいって。次回の魔物軍討伐で前線に連れて行ってみるか。
で、メタスラちゃんも人型になれるようになったのと、体液を魔法の触媒に都合よく変換できるようになったらしい。これもこれでよくわからないけど、魔法の威力があがったそうで。いいじゃん。
「これはアレだ、タキナのスキルの効果もなにかしら乗ってるな……魔物を変異させるスキルか? そんなのあるのか……?」
え、そんなの知らないけどね?
でもたしかに、オークも変異したし、他の子も進化したり変化したりしてるし、そういう事なのか?
「スライムだけ、だよね?こんなこと出来るの」
「……あるいは、ハヤトなら他の種類でもなにか仕出かすかもしれん。伝えなくても伝わるだろうし、いっそ相談してもいいかもな」
今更だけどちょっと不安になってきたな。
私の魔物たちが生物兵器になっちゃう。物理的にマジで。
というわけでハヤトに相談した。
「遺伝情報の交換……? いや、スライムだから本当に肉体の交換かな? 拒否反応が出ないのはスライムだからだろうけど、もし他の魔物でも同じようにできれば……しかしそれなら、スラちゃんは前回の襲撃で多量の情報を得られているはず。それは使えていないということは……近縁種でしかできない? ……研究するかな、ドワーフにも声をかけよう」
どうやらなにやらはじまりそうな感じだが、さっぱりわからん。
魔物たちの嫌がることをしなきゃいいよ、とだけ伝えておいた。どうなることやら。ま、魔物たちが強くなるならそれがいいんだけどね。
朝からどっと疲れた。
ひとまず、スラちゃんが巨大メタリックスライム娘になれるようになった上に魔法を使えるようになったのが一番大きいか。戦力増強にも程がある。
試運転というか、試しの戦闘をしたいけど、スラちゃんは迷宮に入れないからな。
無いなら無いほうがいいけど、襲撃があったら試してみよう。
結局朝ごはんたべる余裕がなかったので、朝はミックスジュースで済ませた。調理班とイサム、ありがとう。助かるよ。
さて、昼はなにするかな……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます