リアンの趣味箱

リアン

兄と妹

【設定】


兄:24歳 会社員 爽やかイケメン しっかり者


妹:13歳 中学生 美少女 甘えん坊


◇ ◇ ◇


俺の両親は妹が小さい時に事故で亡くなった。親は結構な高給取りで自己の保険金もいっぱいあったからそれなりの暮らしはできたし、親戚からの支援もあって大学まで行って就職することができた。


そして俺の就職と同時に親戚の家を出て2人暮らしをする様になった。妹は強い子だから親がいなくてもしっかりしてるし、勉強も家事もそれなりにしてくれる。本当だったら親にいっぱい甘えたいだろうに。


そんなこんなで家に帰ると珍しく電気が点いていなかった。


リビングの電気を点けるとテーブルの上にはカレーとヨーグルト、それと置き手紙が置いてあった。


『お兄ちゃんへ


少し、体調が悪いのでベッドで横になります。夜ご飯をあっためて食べてね。


                         妹より』



荷物をソファーに放り投げて急いで妹に部屋に行く。電気を点けると………………


「あれ…………?」


なぜか部屋のベッドに妹はいなかった。

トイレにも電気は点いてなかったし……………もしかして


自分の部屋の電気を点けてベッドの方を見るとベッドが人1人分膨らんでいた。


日和ひより大丈夫か?」


「お兄ちゃん…………」


布団から顔を出した日和は辛そうな顔をして顔を真っ赤にしていた。辛そうだ。


「ごめんなぁ、帰るの遅くなって。食欲はあるか? 何か欲しいのは? コンビニ行ってくるから」


「…………プいん………たべあい」


熱が高いのか、滑舌がはっきりしてない、よっぽど苦しいのか。もっと早く帰ってきてあげれば良かったなぁ。


「プリンな、わかった。じゃあ大人しく寝ててな。すぐ戻るからな」


日和の頭を撫でてすぐにコンビニに向かう。

コンビニでプリン(普通のといちご味)、ゼリー、スポーツ飲料、冷えピタを買ってすぐに家に戻る。


「ただいま、ほらプリン買ってきたぞ。起きれるか?」


「…………むりぃ、起き上がらせてぇ…………」


日和が弱々しく両腕をあげてくる。日和の腕が背中に行く様に近づいて日和の背中に手を回して起き上がらせる。


「ゆっくりちゃんと噛んで食べるんだぞ」


プリンの蓋を外してスプーンを渡す。


「……………」


「食べないのか?」


プリンを差し出しても一向に食べようとしない。


「食べさせて…………」


うっ…………そんな上目遣いされたら断れないじゃん。いやまあ断る気は無いんだけどさ。


「……………まったく、甘えん坊さんだね。はい、あ〜ん」


「あ〜……む」


「美味しいか?」


「ん!」


「それは良かった。ほら、次。あ〜ん」



◇ ◇ ◇



プリンを食べさせて、薬を飲ませると日和は眠そうにしてまたベッドに横になった。眠りを妨げない様に電気を消して部屋を出ようとしたら日和に袖を摘まれた。


「おにぃ………行っちゃヤだよ…………」


珍しく日和が小さい頃に戻った。まず日和が体調を崩すことが珍しいんだけど、それでもこんな小さい頃みたくはならない。どうしたんだろう。


「どうしたの、怖い?」


「………おにぃまで…………帰ってこなくなる…………」


そう言うと急に泣き出してしまった。


「あ〜あ〜、大丈夫大丈夫。お兄ちゃんはどこにも行かないよ。だから泣き止んで。お胸辛くなっちゃうよ」


日和の頭を優しく撫でる。


「ゴホッゴホッ!」


「あ〜ほらぁ〜。ほらこっちおいで」


日和を抱き上げて背中をポンポンとする。日和が泣いた時は決まってこれをする。日和曰く、覚えてはないけど本能的に小さい頃のお母さんとの記憶で安心するらしい。


「おにぃはどこにも行っちゃわない?」


「あぁ、どこにも行かないよ。だから、今は眠ろう?」


「おにぃ………一緒に寝て?」


「はいはい、わかったよ」


日和を抱っこしたまま布団に入る。ご飯は食べてないけど、そんな事より日和の安眠の方が重要だ。そのまま俺たちは眠りについた。



◇ ◇ ◇



次の日朝起きるとすっかり日和の体調は良くなっていて、寝る前は辛そうに呼吸してたのが今ではすっかりいつも通りの呼吸に戻っていた。


「あれ…………おにぃおはよ〜」


「おはよう。よく眠れた?」


「うん! おにぃは……………大丈夫?」


「あ、あぁ………大丈夫だよ」


いや、実際は大丈夫じゃない。日和が寝付くまで背中を摩り続け、寝てる間はずっと日和が手を握り続けてたから自由に寝返りをうつことができなかった。そのせいであまり眠れなかった。


「えへへ、じゃあ朝ごはん作るからそれまでゆっくりしてて!」


「あぁ、お願いするな」


俺は日和を見送ってまた眠りについた。

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