「LAW(ロウ)-CHAOS(カオス)-NEUTRAL(ニュートラル)なif転生?」

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「今後とも、よろしく…」な聖なる邪教の館大学は、「悪魔ドラフト」の会場につながっていた!「LAW-CHAOS-NEUTRAL …。君の属性は?」

 ここは、俺の通う、「邪教の館大学」。

 結界も張られた、聖なる場所だ。

 「コンゴトモ、ヨロシク…」

 最近、この大学で、新しいSFが誕生したという。

 「属性」を変えてしまうという、プロ野球のドラフトのようなSFだという!

 ミステリーな、気配だ。

 「あいつは、時空を超えている」

 「DARK-CHAOS、だよな」

 「NEUTRAL-NEUTRALくらいじゃ、ないのか?」

 「少なくても、LIGHT-LAWじゃないな」

 「あいつって、SF的なドラフト力でも、宿ったんじゃないか?」」

 「あいつ?」

 「ミヤモト」

 「ああ、ミヤモトね」

 大学内で、ミヤモトという男についてのうわさが飛び交う。

 不良男、ミヤモト。

 頭に、変ないかついバンダナを巻いて、違反な学ランのズボンに手をつっこみ、ぶらぶらと、歩く。

 チャーリーのやつのほうが、真面目な男子に見えてきてしまう。

 そいつも、ミヤモトのように、キラキラとしてチャラいルックスの同級生だ。

 ちなみに、チャーリーっていうのは、あだ名。さすがに、本名ではない。

 チャーリーも、俺やミヤモトも、軽高出身の学生。

 いわくつきの、高校だ。

 その高校出身の俺が言うのも、何だが。

 「あいつらって、異空間をいったりきたりできる高校から、うちの大学にきたらしいぜ?」

 「そんな高校、あるの?」

 「軽高」

 「ああ。あそこか」

 …に、してもだ。

 学生生活なんて、つまらない。

 親がくれる金で学校にいっている身分で言うのも、何だが。シューショクヒョーガキっていう世代から金やら仕事を奪いとって返さない身分で言うのも、さらに、何だが。

 おっと。

 俺は、なかなか、真面目なことを考えるじゃないか。

 俺は、LAWな人間だったんじゃないか?

 ああ、変な日本だ。

 「お、ミヤモトだ。あいつ、学校帰りに、何をしているんだろうな?」

 こっそりと、やつの背中を追う。

 「やだ、あれ?電算部のサトウ君じゃないの?ストーカーに、なってる?」

 ユミとかが、俺を見て言うだろう。

 レイコも、言うだろうな。

 レイコのほうは、クラス委員長のように、厳しい女子だ。つか、高校時代は、リアルにクラス委員長だったな。

 素行の悪そうな男子生徒を見ると、すぐ、オオツキに言いつけていたもんだ。

 オオツキっていうのは、生徒の生活指導なんかもやっていた教師の名前。

 物理の実験で、新しい武器とかも開発している、変な教師だったよ。

 プラズマを使って、パンも焼いていたな。

 謎の実験にはまって、燃えに燃えていたときには、自らの身体を改造したもんだ。

 マッドサイエンティストな物理教師、オオツキ。

 当時、俺は、クラスの皆に言ってやったことがある。

 「おい、皆!見ろよ!あのオオツキが、ついに、ドクター・マ○リトの完成型タイプになったようだぜ?もう、今までのキャ○メルマンじゃないっていうことだ!」

 言ったら、場が、しらけたよ。

 今どき世代は、「ドクター○ランプ」を、知らないのか?

 つか、俺も、今どき世代の男子なんだが。

 「愛蔵版」で読んで知っていた俺、瞬殺。

 とにかく、ミヤモトの跡をつけていく。

 すると…。

 やつが、町外れの工場地帯にある、さびれたビルの中に入っていくのが見えた。

 「高いなあ」

 細長い、煙突のようなビルだ。

 10階建て以上は、あったんじゃないか。

 「早く、引き抜いてもらいたいぜ…」

 やつは、妙な言葉を吐きながら階段を上っていく。

 エレベーターの設置されていない、ビルだ。階段を、使うしかない。

 「…ふう。ふう」

 息をこらしながらの、尾行。

 ただ、やつのほうは、息を切らしているようには感じられなかった。きっと、慣れていたんだろう。

 「ここ、何のビル…?今、何階まできたんだ…?」

 運動不足の世代には、きつすぎる運動だ。

 「あ…」

 やつの足が、止まった。

 「きたか、ミヤモト君?」

 うわ。

 身をひそめる、俺。

 その階のフロアには、フツーには見えない者たちが座っていた。

 …こいつらは。

 こいつらは、まさか…。



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