第5話 拒否
次の日学校に行くと、みんなから避けられているような気がした。
でもそんなのは関係ないのだ。
興味があるのは優香だけ。
彼女の教室の前を通ってちらっとみる。
いないな。
はあ。とため息をついて、俺は教室に入った。
おかしい。
みんなが避けている。いつもダル絡みしてくる隣の席の山岸が一切話しかけて来なかったのだ。まあ話かけてくれないほうがいいんだけどさ。
俺はずっとテンションが低かった。2日も会えてない。体調大丈夫なのかな。心配だよ。
学校終わったら昨日のこと先生に言おうっと。
下校のチャイムがなった。
先生の元に行く。話しかけようとしたその時…
「おい梨田。先生についてこい。」
先生から呼び出されたのだった。
なんだ。先生も気づいてくれていたのかな。
さすが先生。
先生と2人きりで音楽室に入る。
「先生なんですか?」
「嘘なしで答えろよ。」
「はい。」
「お前優香さんに何かしたか?」
「いえ。なにも。逆に最近来てくれなくて寂しいぐらいです。」
「は?何かしただろ。」
「いやだから何もしてませんて。」
「まあわかった。優香さんにはこれからもう話しかけないこと。約束できるか?」
「なんで先生にそんなこと言われなければいけないのですか?」
「お前のせいで学校に来たくないって言ってるんだぞ。」
「なんで?愛し合ってるのに?」
「え?何を言ってるの?」
「え。だから愛し合ってるのにって。」
「君病気だね。妄想癖がすごいよ。先生と一緒に病院にいこっか。」
「やだ。先生が病気なんだよ。何もわかってない。優香は照れてるだけだって。」
「わかったわかった。とにかく、しばらく近づかないこと。好きならそれぐらいして。それが優香さんのためだから。」
「優香のためならしかたないなぁ。」
「ありがとう。帰っていいよ。」
「さようなら。」
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優香が俺と会いたくないって。
そんなのは照れ隠しかぁ。
手を繋ぎたいって思ってるに違いないし、きっとキスもしたいと思う。
俺はずっと優香の隣にいたいんだ。
きっと優香もそう思ってるよね。
瞳の奥が言ってるよ。
表面だけでは呆れたような目をしてるけど。
瞳の奥は愛してるって。
なんだか可愛いな。
自分の気持ちをうまく表現できていないあたりが究極に美しい。
愛してるぞ。マイハニー。
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次の日。
いる!優香がいる!
今日は一緒に帰れるじゃん!
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