第21話 解決方法 2

「入れたとして、その後どないするん。話し合いではどうにもならんで」


 無理なんはもう経験済み。


 他に方法なんてあるんやろうか。


「残念なことに、美佳さんはもう人間ではありません」


「……そうよな」


 認めとうないけども。


 本家が殺そうとするのはあの子が憎いからだけやない。


 人間やないから。


 害をなす存在になってしもうたからや。


「しかしそのおかげで解決策を思いつきました」


「ん?」


 幽霊さんたちみんな笑っとる。


 え、なに。


「凛子さんに美佳さんを憑りつかせましょう」


「はい!?」


 めっちゃデカい声出てもうた。


 美女幽霊さんはキラッキラの笑顔を浮かべとる。


 美人さんやなあ……やない!


「そっ、そんなんできるん」


「現に美佳さんは憑りつかれているじゃありませんか」


「いやいやいやいや、そうなんやけど。あれは美佳の意思やないやん。事故みたいなもんやん。せやけど、あの子を私に憑りつかせるって……無理やろ」


 どう考えても。


 困惑する私に、


「大丈夫だと思いますよ。こちら側の存在になった美佳さんは、憑りつく人間を捜しているはずです」


「あー……そういうこと」


 人間やなくなった美佳。


 やることは一つ。


 誰かに憑りついて操ることや。


「それ私がヤバいことになるんとちゃうの」


 心配なのはそれ。


 今度は私が祓われる側になるんと違う?


 本家の人間と闘う勇気ないで。


「大丈夫です。凛子さんの強い想いがあれば」


「……」


 そんなんでいけるんかいな。


 ありえへんやろ。


 と突っ込めへん。


 なんでもありの世界やもん。


「美佳さんが中々憑りつこうとしなかった場合、私たちが凛子さんのカラダに押し込めますので。ご安心を」


「心配しとるポイントが微妙にずれとるんよ」


「ふふふ」


 余裕たっぷりな感じやなあ、幽霊さん。


 ホンマに大丈夫かいな。


 まぁ、他に方法思いつかんから、


「しゃーない。頼むわ」


 提案に乗っかるしかないんやけどな。

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