結婚
小深純平
第1話
僕はある女性と巡り合い結婚しようとおもったが,「やっぱり」。反対コールが巻きあがってしまった。特に彼女の父親は尋常じゃなかった。僕の家に何度か押しかけてきては僕の家族を正座させて絶対に結婚は承知しないぞと声を荒げて帰っていった。僕は少し混乱して何を言われたのかよく覚えていなかったが、とにかく、彼女の父親は僕の年令と娘の年令の差がありすぎる、娘はまだ25だぞと、いう部分に語気を荒げて、ひどい剣幕であった。僕の母親も我慢の限界を超えたらしく反対ののろしを上げてしまった。
僕の父親は50歳でなくなり2人の妹と母親の4人くらしであった。そして母親の切なる願いで2人の妹が結婚してから僕が結婚することを願っていた。僕も母親の希望に何の疑問も抱かずに40歳まできてしまった。
その後僕は彼女の父親に何度も頭を下げに行ったが玄関払いだった。
何度かそうこうしているうちに彼女の父親から電話があった。町はずれにあるT神社に来いというのだ。僕は1人で行くとあらぬことがあってはならないとおもい彼女を呼んだ。
父親は神社の駐車上の真ん中で仁王立ちをしていた。当初彼は僕が1人で来ると思っていたのでやや交戦的かと思えるようないで立ちをしていた。普段はあまり着ない上下の作業着にワークブーツをはいていた。仕事柄そんな恰好をしないでもないが、建材会社の社長でもあるのでスーツ姿が多かった。
2人が車から降りると意表を突かれたのか彼は少し上ずった声で「なんでおまえが」と娘に少し声を荒げた。『やはりみなで話した方がいいとおもい」と僕が静かに言うと、「俺はお前に来いといったはずだ」「1人で来いとはいってなかったもので」僕も開き直りといえるような声ではっきりといった。
結局彼は思惑通りいかなかったのか吐き捨てるように言った「とにかくお前らの年令差が納得できないんだ。早く終わりにしろ」と吐き捨てると逃げるように帰っていった。
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