女の子と『仲良し♡』がしたいので勇者を目指します。
書峰颯@『幼馴染』コミカライズ進行中!
第一章 五歳編
第一話 勇者になって、女の子と仲良くしたい。
記憶が確かならば、俺の精通は三歳の時。
近所のお姉さんと一緒にお風呂に入った時だ。
「身体洗ってあげるね」という魅惑の言葉、テクニシャンな手の動きにより秒で発射した。
以降、俺の性欲はとどまることを知らず。
同い年の女の子のスカートが風でめくれあがれば凝視し。
水辺に遊びに行けば無駄にくっついて怒られる。
父親のコレクション、近所のお姉ちゃんの下着、夜の繁華街にいるお姉さん。
五歳にして俺は、性的なことに関してのみ大人顔負けの知識を得るに至った。
身体は子供、頭脳は大人。
やりたい放題である。
このままでは将来この子は性犯罪者になる。
そう危惧したのか知らんが、母親は俺に勧善懲悪モノの絵本を読み聞かせる様になった。
唯一俺が性的欲求の視線を送らない異性である母親。
巷じゃ美人ママとして有名らしいが、不思議と母親では俺の股間のドラゴンはトカゲのまま。
巨乳を頭に乗せながら語られるは、魔王と勇者のファンタジー昔話。
全く面白くなかった。下手な子守歌よりも断然寝れる。
父親のコレクションにある『操られ女戦士、戦場で満開の花を咲かす』の方が好きだ。
必死になって不思議なモザイクの中を妄想していた方が俄然興奮する。
下着の中がどうなっているのか、考えているだけで刺激が止まらない。
そんな俺であったが、不思議と同年代の女子からは結構なレベルで嫌われていた。
近寄るだけで悲鳴が上がり、見ているだけで「おっぱい見ないで!」と叫ばれる。
五歳ながらそれ相応に心に傷を負いながらも、スカート捲りだけは必ず実施してから帰路についた。
性的格差、イジメとはかくも恐ろしいものである。
泣きながら母親の巨乳に顔をうずめ、そして日課である絵本タイムへと突入する。
いつも寝てしまう絵本タイムだったが、その時だけは目がさえていた。
スカートの中の真っ白な綿素材の下着が脳裏に焼き付いていたからだろう。
ギンギンになった目で絵本を眺めながら、母親の優しい声で物語が語られる。
「こうして、勇者はお姫様を助け出し、宿屋で一泊してからお城へと帰りましたとさ」
絵本に描かれた絵は、若い男が女の子を持ち上げ宿屋へと入るシーンだった。
次のページには『仲良し♡』を終えた二人がお城へと向かうシーンが描かれている。
「ママ、勇者になってお姫様を助けると、仲良くなれるの?」
「えっと……そうね、この絵本はちょっと間違ってるけど、仲良くなれるわよ」
「そうなんだ、勇者になると仲良くなれるんだ」
俺は、女の子と仲良くしたかった。
「ママ、僕、勇者になりたい」
「ユー君……」
「勇者になって、
「ユー君!」
ユーティ・ベット・トリミナル、五歳。
女の子と『仲良し♡』をする為だけに、勇者を志した瞬間であった。
――
不定期連載です。
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