第5章 19話 心の中で会話する

『いきなり、ごめんなさい。みんな』


 優月と話を続けながら、スーフィアは風花たちに心の声で話しかけてきた。


『ねえ、みんな。私の話聞いてくれる? でも、こうやって霊力で話していることは、優月に気取られないようにして欲しいの』


 風花はちらっと夏澄たちを見た。 


 夏澄と飛雨に、戸惑う様子はない。

 頭の中で話しているとは感じさせない振る舞いだ。


 にこやかに、優月と輪を描くようにしてすわった。


『私ね、春ヶ原で起きる風の原因が分かったかもしれない』

『原因って?』


 夏澄の強張った声がした。

 優月との談笑を続けながら、夏澄たちは頭の中に声を送りあう。


 同時に二つのことをするなど、風花にはとても無理だ。

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