第5章 9話 五日間
「行、きたい……ー」
風花は肩を落とし、ひざに顔を押しつけた。 行きたい。
門限など、無視してしまいたい。だが、あれほど心配されたあとだ。
とてもできない。
よく考えたらゴールデンウィーク中で、学校がない。
昼間は一緒にいられるのだから、運がいい。 そう思おう。
「優月さん、いつまでいるの?」
「五日くらいだって聞いてるよ」
「そんなにいるんだ」
優月が、五日も春ヶ原を離れるのは意外だった。
優月は草花たちの、保護者のようなものだ。彼女たちがいる場所をそんなに離れて、心配ではないのだろうか。
「そうだよな。すぐ帰るだろうと思ってたのに」
「でしょ?」
「優月、春ヶ原にいたくないのかな……」
飛雨はぼそっとつぶやいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます