竹酔月

ひと時の夢を



そんな思いから始まったはずだ。


長月ながつきは、文月ふみづきのことを知らなかった?


葉月はづきが何も言わなかったから?



出会いも あらたまったものではなく、


気付けば、葉月は、そこにいた。


やがて終わりは来ると知ってた。


知っていたけど、

離れがたくなっていた。



ずぅっと 続けばいいと思っていた。

無理だと分かっているけれど。



長月にとっての日常は、

葉月にとっては、そうではなく。


けれども 今年は

葉月の名残がいつまでも続き、


涼やかならずに、

もう


神無月かんなづきがやってくる。



長月も、そろそろ おいとませねばなるまい。


流した涙がしもとなる前に。










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