濃染月さりて色染月の来る

結音(Yuine)

長月

葉月はづきが去っていった。

長月ながつきは、葉月の後ろ姿を名残惜しそうに眺めている。


「いかないで……」


止めても無駄なことは分かっている。


嘆いても、去りゆく時間は止められない。


葉月との思い出は、楽しいものばかりだ。


嗚呼ああ、どうして

もっと 長く続けばいいと思う この時間こそ、留まって。

留まってはくれないの。

続いてはくれないの。


快楽のひと時は、瞬殺にして。






残り一日となった9月のカレンダーに涙した。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る