犬系彼女よ永遠に
ここ数日合唱曲にハマっている。
合唱曲を聴いていると、
「あ、この曲合唱祭で歌ったやつだ」とか、「この曲はあのクラスが歌っていたな」等と、青春の思い出に肩までどっぷり浸れるだけでなく、単純に歌詞とメロディーが素晴らしく、思わず聴き入ってしまう。(合唱曲になるくらいだから当たり前なのだが)
クラスで合唱をすると必ずと言っていいほど出てくるのが、
「ちょっと男子ちゃんと歌ってよ」問題だ。
かくいう僕も、ちゃんと歌わない男子側だった。
歌の上手い下手に関わらず、思春期特有の羞恥心と反骨心が、声変わりしたての声帯をキュッ締め上げる。
かと言って口も開けずただぼーっと突っ立っている訳にもいかないので、一応歌っている素振りはする。
それでもクラスの輪を乱しているという罪悪感と、人前で歌うことへの恥ずかしさの葛藤に揺れ動き、合唱練習の時間は苦痛でしかなかった。
そんなにまで嫌いな合唱曲を、今こうして好き好んで聴いているなんて、人生とは何が起こるか分からないとはよく言ったものだ。
そう考えると、最近犬系彼女などと持て囃されている女性をまともに見られるようになる日も近いだろう。
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