寝取られ系同人エロゲーの友人キャラに転生した~主人公が寝取られたらなんやかんやあって俺は死ぬ~
@kikikuki
第1話
俺の名前は
どこにだしても恥ずかしくないピチピチ高校2年生のエロい事に興味がある純情ボーイだ。
ちょっと人と違うのは前世の記憶がある事ぐらいカナ・・・。
前世は29歳の社会人だった。
前世の記憶は最初からあった訳ではなく歳を重ねていく毎に思い出していった。
どうせなら異世界に生まれ変わりたかったと中学生の時は思ったものだ。
今生の世界は前の世界と出来事に細かい差異があるものの殆ど一緒の世界の様だった。
魔法もなければ超能力もない。だから俺がそれに気付いたのは殆ど偶然だった。
今から2年前。中学3年生の冬。殆どの生徒が進路を決めている中で俺は空白の進路調査表を睨みつけていた。
そんな様子を親友である
「縁助、まだ進路決めてないのかよ。もう願書出さないといけない時期だぞ」
「黙れ、純一。成績優秀な俺はお前と違い無限の選択肢があるのだ。進路が地元最底
辺高、就職、ニートの3択しかないお前と一緒にするな」
なめんな!と怒る純一を無視して自分の将来を考えていた。
零細企業で働いていた前世の記憶があった俺は学生時代の努力と選択が未来に及ぼす影響をよく理解していた。
将来楽な生活をする為に勉強を前世と違い頑張った俺は学年3番目に成績優秀だった。
勉強に時間を使った代わりに友達が少なく、小学校の頃からの腐れ縁の純一ぐらいしか友達がいないがな。
おそらく中学校を卒業したら純一以外の生徒とは疎遠になるだろう。
前と比べて灰色の様な中学生活だが前世の様な死んだ様に生きる人生は二度とごめんだった。
暴言を吐いた俺に純一は抗議の意味で俺の進路調査表にUの様な形をしている赤ちゃんちんちんを落書きしていた。
「なんしてんの?」
「この前見たお前のちんちんを書いてあげている。部屋に飾れよ。」
中学生だなぁ、と冷めた目で純一を見下す。前世の記憶の殆どを思い出していた俺はこの中学生の寒いノリに付いていけなかった。
「誰のちんちんがコ〇コ〇コミックだ!ちゃんと俺のちんちんを見ろ!」
事もなかった。やはり性格は環境に左右されるのだろう。
前世含めて40年以上生きている俺だが元の自分より二回りも下の親友とふざける今の自分に違和感を覚える事もなかった。
放課後だがまだ教室内には数名、人が残っていた。そんな中でズボンを降ろそうとする俺を純一は必至に止めた。
「悪かった!だからやめてくれ!」
「ダメだ!ここにいる彼女らに俺のちんこが羽化済みである所を見せなければ!」
そうやって、ふざける俺たちに男子は笑い、女子は軽蔑した目を向けていた。
教室内を見渡した俺はそこでふと気付く。
「あれ?お前今日って魅李ちゃんと買い物行くんじゃなかった?」
この純一という男には羨ましい事に幼稚園からの幼馴染で仲の良い女の子の友達がいた。名前は
俺もこいつとの腐れ縁の関係でそこそこ話すが、やはり二人の間には俺には入り込めない雰囲気があった。今日も二人で買い物に行くと昼休みの時に話していたのを覚えている。
「ああ、魅李ならゴリ豚に部活の件で呼ばれているらしくて。」
「ふぅーん、そういやゴリ豚ってバスケ部の顧問だったか。」
ゴリ豚というのはこの中学校の教師でゴリラの様な体毛と豚の様な顔をしている事からそう呼ばれている。
命名者は俺だ。魅李はバスケ部のキャプテンだった。部活はもう引退しているはずだが時々呼び出されている事もあるようだ。
「最近、多くないか?引退済みの生徒呼び出して迷惑な奴だな。」
「まあ、部員の事一番把握しているのは魅李だからな。部活の事についてアドバイスしてあげているって言ってた。」
「うげぇ~、優しいねぇ、受験もあるのに。」
そこで俺はある事を思い出す。
「部活の相談ねぇ、・・・でもそういえばこの前グラウンドの置き倉庫からあの二人が出てくるのを見た覚えが。」
2週間前に校舎内から窓を眺めていた時にその光景を見た。昼休み中だったが部活の相談を倉庫の中でするだろうか。
違和感がある。
というよりこの話をする俺に対して違和感を覚えていた。これはデジャヴュ?
「え?なんでそんな所に二人でいたんだろ?」
「さあな、そういえば次の授業が体育でもないのに体操着を着てい、た、様な・・・」
言葉の途中で自分の脳が警鐘を鳴らしているのを感じた。この違和感をそのままにしておくと俺の人生に多大な悪影響が起きる様に思えた。
「どうした、縁助?」
途中で言葉を止めた俺に純一は心配そうな顔をしている。
縁助、純一。
「いや、何でもない・・・、なんだが忘れていた重大なことを思い出せそうな気が・・・」
中里 魅李、ゴリ豚。
何故だろう、今までなんとも思わなかった自分の名前、友人の名前にも大きな違和感を覚えてきた。
別にそこまで珍しい名前でもないはずだ。
だがポーカーの手の様にこの4つの名前が揃う事によって大きな意味を持つように感じた。
「・・・そういや今日ってなんの買い物をする予定だったんだ?」
答えを探す様に何の気なしに純一に質問をした。
純一が急に話題を変えた俺に疑問を顔に出しながらも答えた。
「え?・・・ああ、もう少しでクリスマスだろ?知ってると思うけど俺らって家族ぐるみでクリスマスパーティーするからさ。色々買い出しをする予定だったんだ。」
クリスマスパーティー、買い出し。中学最後の冬。
恥ずかしがる様に頭を掻く純一を俺は言葉を失う。
馬鹿みたいに口をぽかんと開く。
自分の考えが信じられない、そんなはずはない。
だがそう思いつつもその頭の中で起きた前世の記憶との奇妙な一致を偶然の一言では片づけられなかった。
「・・・純一。」
「どうしたんだ?お前さっきから変だぞ。」
「今すぐ倉庫に行くぞ!」
「え!?急にどうしたんだよ!」
突発的に叫ぶ俺に純一が慄く、だが俺はそれどころではなかった。
急に叫び、廊下へと飛び出していく俺に純一は勿論クラスメイト達も唖然としていた。
「良いからさっさと来い!魅李ちゃんが危ない!」
そう教室内に残っていた純一に叫ぶと腑に落ちない顔をしつつも俺についてきた。
グラウンドではサッカー部が練習試合をしていた。俺は試合をしている彼らの横を走って突っ切る。
練習の邪魔をした俺に対して玉蹴り小僧達から罵声が浴びせられるが気にしていられなかった。
置き倉庫に近づきスライドドアを開けようとする。
鍵が掛かっている。
俺は全力でドアに前蹴りをかますが大きな音を立てるだけで意味がなかった。
「はあ、はあ。お前何やってんの?魅李が危ないってどういう事だよ。」
ようやく、純一が追いつく。
俺は純一の質問を無視して倉庫の周りに落ちていた手頃な石ころを掴むとそれを倉庫にある小窓に向けて投げつける。
大きな音を立ててガラス窓が割れる。
俺に文句を言うために近づいてきたサッカー部員も純一も呆然と俺の様子を見ていた。
割れた小窓から内部に入ると下半身を丸出しにしたゴリ豚とそれに顔を近づけようとしていた下着姿の魅李がいた。
「あっぶねぇえええええええ!!!」
「え、縁助くん!?」
「な、なんだお前・・・ぐはぁ!」
その場面を見て間に合ったと思った俺はそう叫びつつゴリ豚に飛び蹴りをかました。
更に追撃する様に丸出しになっていた奴の股間を蹴り飛ばす。
ゴリ豚は泡を吹いて倒れた。純一は俺に続いて中に入ると中の状況に困惑した。
下着姿で倉庫にゴリ豚と一緒にいた自分の幼馴染、下半身丸出しで泡吹いて倒れている教師、それの股間に対して執拗な追撃をする自分の親友。
カオスな空間にめまいをがした純一がまずした事は、自分の上着を脱いで幼馴染の体を覆う事だった。
女性に対して紳士な彼はこのエロ同人ゲームの主人公だった。
そして俺は彼の友人キャラ。
そして中里 魅李はゲームスタート時の選択肢によっては過去設定で中学時代、教師に調教されている過去を持つことになるヒロインの一人である。
急に俺の頭が狂ったと読者諸君は思うだろうか。
そんな奴には前世の記憶があると宣う俺を正気だと思っていたのかと言ってやりたい。
だが俺の頭より狂っている事が起きている。
この世界は信じがたい事に俺が前世でプレイしたエロ同人ゲームの世界だった。
今日、本来なら中里 魅李はゴリ豚に処女を奪われてそれを脅迫の材料に使われ、中学校を卒業するまで主人公と過ごす裏で日常的に犯され調教をされるキャラだった。この過去がある事によって本編で魅李は偶然街で再開したゴリ豚に昔の話を持ち出されまた爛れた生活を送る事になる。
最後、ゴリ豚のオナホ妻宣言を主人公の前でして彼女のゴリ豚ルートは終わりである。
なのでこのタイミングでイベントを止める事で彼女がゴリ豚に寝取られる事はなくなる。
「潰れろ!潰れろ!」
だが俺が全ての原因であるゴリ豚のちんこを執拗に蹴り飛ばして男性としての機能を破壊しようとしているのは親友である純一と魅李の為という訳ではない。
当然彼らは俺の親しい友人だがここまで必死になるのはもっと切実な理由があった。
ゴリ豚ルートの最期、主人公である純一(デフォルトネーム。ゲームでは自由に設定する事が可能だぞ!是非自分の本名を入れてみよう!)のモノローグによって物語が終わる。
【・・・大切な俺の幼馴染だった魅李は2度と帰ってはこなかった。今は定期的に送られてくるビデオテープだけが彼女と俺を繋ぐ物だった。愛おしい彼女が醜い男に汚されている姿に悔し涙を流しつつ俺は勃起をしていた。自分が惨めだった。そういえば同じ幼馴染である行方不明になっていたエロ猿こと縁助だがこの前日本海側の海岸で水死体として打ち上げられていた姿が発見されたらしい。俺は大切な幼馴染を二人、永遠に失った。だが今はなにもかもがどうでもいい。無気力な今の俺にとって大切なのはもうこのビデオだけなのだから。】
これがゴリ豚ルートの最期のモノローグである。御覧の通りモノローグないでさらっと俺が死んでいるのだ。
なんで?とプレイ当時の俺は思ったものの大して気にせずスルーした。
なぜか縁助という男はすべてのヒロインの寝取られエンドの最期、とばっちりで詳しい理由も不明で死ぬ事となる。
原因理由は不明である。
先ほどの様に主人公のモノローグによってさらっと触れられるだけである。
おそらく製作者の遊び心だったのだろうが・・・。
それが俺がゴリ豚のちんこを潰そうとしている理由である。
あらゆる女を堕とすマジカルチンポの持ち主である同人エロゲの間男ゴリ豚、こいつのちんこは今ここで潰してやる。
「潰れろ!潰れろ!」
だが純一が後ろから俺の体を抑えてゴリ豚から引き離す。
「やめろ!縁助!死んじまう!」
「殺すんだよ!玉を割ってなぁ!」
「もういいって!魅李の為に怒ってくれるのは嬉しいけどお前が手を汚す必要はない!」
なにやら純一は俺の行動に対して好意的解釈をしているが俺は徹底掉尾自分の為にゴリ豚の玉を潰す気だった。
純一に止められて、少し沸騰していた頭が落ち着いてきた。
「・・・なあ、純一。お前って根野鳥高校に行くんだったよな。」
肩で息をして座り込む俺の急な質問にびっくりしながらも純一は頷いた。
「俺もそこに行く」
「なんで!?ていうか今!?」
そう驚愕する純一に俺は怒鳴ってやりたかった。
てめぇが寝取られると何でか知らないけど俺が死ぬからだよ
!糞雑魚ちんこが!ってな。
だが俺は乾いた笑いをする事しか出来なかった。
俺が生き残る為には純一に純愛ルートに進んでもらうしかない。
寝取られルートの全てで俺は死ぬことになるからだ。
自分の高校生活が命がけの地獄の様な日々になる事が確定した俺はまた重大な見落としをこの時していた事に気付いていなかった。
純一の上着を握りしめて体を丸くする中里 魅李が熱っぽい目で俺を見ていた事に。
ゲームではあくまで主人公の友人キャラでヒロインの情報をプレイヤーに伝えるキャラだった俺がヒロインを寝取る間男になる可能性など、この時俺の頭の中には一切なかったのだ。
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