義妹がNTRました。そして義妹の友人が.....
アキノリ@pokkey11.1
一章 何もかもが失われた世界
陽の差し込む時
第1話 残酷な世界
☆豊島裕サイド☆
高校1年生の義妹の名前は豊島りん(とよしまりん)という。
黒のショートカットに美少女でクラス委員。
それから先生からも頼られている存在。
まあ非の打ち所がない。
筈だったのだが。
そんな義妹の義兄の俺、豊島裕(とよしまゆう)というのだが。
俺はりんの衝撃的なものを目にした。
何を目にしたかといえば。
他の男と一緒にラブホに行っていた。
「まさかと思って追跡をしてみたらこのザマか」
俺はそんな言葉を呟きながら。
ムカッとして写真を撮った。
そしてそれを.....送し.....と思ったのだが。
それが出来ず俺はそのまま踵を返してから複雑な思いでその場を後にした。
それから帰宅していると。
「あれ?おにーさん」
「.....?.....君は確か.....」
「茂山桃(しげやまもも)です」
「.....ああ。りんの友人の.....」
まさか商店街の中でりんの友人で同級生。
桃さんに会うとはな。
この子も黒髪が艶やかで丸メガネをかけて相当な美少女だよな、と思うが。
疲れ切っている今は相手にできない。
「おにーさん?かなり疲れている様に見えますが大丈夫ですか?」
「.....ああ。死んではないから。大丈夫だ」
「もしかして何かありました?」
「.....何もない。大丈夫だ」
「そうですかー?」
俺は苦笑しながら見ていると。
お姉ちゃん、とやって来た。
それは桃ちゃんの妹の茂山杏(しげやまあんず)ちゃんだ。
中学3年生とは聞いたが。
思いながらパーカー姿に短パンの杏ちゃんを見る。
俺を見てからビクッとする。
「杏ちゃん」
「.....」
因みに杏ちゃんは今は不登校の女の子である。
地域とは繋がりがあるみたいだが。
俺を見るとビックリしながら俯いてしまう点がある。
その姿を見ながら俺は笑みを浮かべる。
杏ちゃんは赤面して去って行った。
「杏は恥ずかしがり屋ですからねー」
「お前が誘導するな」
「誘導はしてないですよー。あはは」
「.....」
おにーさん。もし良かったらここで会ったのも何かの縁。
せっかくなので夕食を食べて行きませんかー、と俺にニコニコしてくる。
俺は、いや。いいよ。杏ちゃんを驚かせてしまうから、と言いながらそのまま立ち去ろうとした時。
桃さんに掴まれた。
そして、いやいや。その顔で帰すなんてありえないです、とニコッとされる。
「その。食べて行きますよね?」
「いや。だから.....」
「食べなさい」
「あ、はい.....」
え?食べなさい!?
何このゴリ押しは!?
思いながら俺は冷や汗をかく。
それから桃ちゃんを見る。
すると八百屋の主人が出て来ながら、おやおや!恋人かい!?、と発言された。
何故か桃ちゃんが慌てる。
「違います!」
「そうかい?それは残念だねぇ。良い顔だって思ったんだけど」
「もー。ご主人。そんな事、言わないで下さい」
「はーっはっは!」
高笑いする八百屋のおいちゃん。
俺は桃ちゃんを、?、を浮かべて見る。
すると背中を叩かれた。
その事に振り返ると。
チョコの板のお菓子を持った杏ちゃんが。
何だ?、と思っていると。
杏ちゃんは赤面しながらそれを渡してくる。
「.....え?くれるの?」
「.....」
頷く杏ちゃん。
すると桃さんの声がした。
杏は多分励ましたいんだと思います、という感じで。
俺はその事に、え?、という感じになる。
どうも落ち込んでいるみたいですから、と言いながら桃さんは笑顔になる。
「あ、ああ。そうなのか。杏ちゃん」
「.....」
「あっはっは!」
何というか爆笑である。
八百屋の主人に負けない感じで笑う桃さん。
それから笑い終えてから桃さんは、じゃあ次の店に行きましょう、と言葉を発してから俺の手を引く。
待て!?何で俺の手を握っている!?
「桃さん.....何をしているのかな?」
「子供を引率している感じです」
「酷い言い方だな!?」
「..........」
何というか杏ちゃんの目が不愉快そうでめっちゃ厳しい!
一体何で!?、と思いながら俺は杏ちゃんを見る。
すると桃さんが、杏も心配なんですよ。おにーさんが、と苦笑い。
俺はその事に、そ、そうなのか?、と聞いてみる。
知り合いでもあり友人でもありますから、と桃さんは買い物カゴを持ったまま俺を見てくる。
「心配な事があったら私達を是非頼って下さいね」
「.....桃さん.....杏ちゃん.....」
「.....」
無言でゆっくりコクコクと頷く杏ちゃん。
俺はその様子を見ながら桃さんを見る。
桃さんも柔和な顔で俺を見ていた。
人に頼る.....か。
どこまで頼れるか分からないのだが。
かつての、昔の事もあるし。
だけど良いのかもな。
こういう人達に頼っても.....。
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