第10話EPEXコーチング
「えっと……今日は、夕凪さんには簡単な立ち回りを覚えて貰い…………貰えたらいいなと思って、ます。」
「はい、よろしくお願いします!」
EPEXを開き俺達2人は射撃訓練所へとやって来ていた。
「ま、まず夕凪さんは……接敵、えっと敵と戦う時に敵に突っ込んでますよね?」
「は、はいもしかしてダメなんですか?」
「えっと……ダメって言うか、銃は元々遠距離攻撃の為の武器だから、離れた場所から撃った方がいいかなって……」
「でも私近くからじゃ無いと敵に弾が当たらないんです。」
「な、なるほど……」
だからあんなに全力で敵に近づいてたのか!
それなら……
俺は数種類のスナイパーライフルが置かれている場所まで走ると、そこからチャージライフルと言う実弾では無くビームを放つライフルを手に取った。
「そ、それなら夕凪さんはチャーライを使うのがいいと思う」
「チャージライフルをですか?」
そう言って夕凪さんは夏樹に続く様にして、チャージライフルを手に取った。
「う、うん。えっとチャーライって弾道落下が無くて、即着弾だから弾が当たりやすいんだよ」
「はい!ナツキングさんその弾道落下って何ですか?」
「えっと弾道落下ですか?夕凪さんって銃の弾って距離が離れれば離れるほど落ちるのは分かる?」
「それは一応分かりますけど、もしかしてこのゲームにもそれが有るんですか!?」
「う、うん。他にも銃の種類によって弾の出方も違うから、そう言うのも制御しないと弾って当たらないんだけど正直それは覚えゲーだから、銃の種類ごとの弾の出を書いた書類作ったから後で送るね」
「あ、ありがとうございます!」
夕凪さんから感謝を言われた夏樹は少し照れながら話を続けた。
「えっと、それで話を戻すんだけど、その弾のでリコイルって言うんだけど、そのリコイル制御とか無しにサイトの真ん中に敵を合わせて撃つだけで当たるのがチャーライのいい所だから、自分の得意な武器を見つけるまでは、出来るだけチャーライを持って立ち回りから覚えて欲しい……かな?」
「わかりました!」
その後俺は夕凪さんに遮蔽物に隠れる大切さや、よく足音を聞いたり報告の大切さなど基本的な事を教えた。
「えっと夕凪さん、これで今日の練習は終わりだけど、何か質問とかあるかな?」
「あのえっと、ナツキングさん質問じゃ無いんですけど、今度一緒に私と配信でコラボ……」
「ご、ごめんなさい!あ、あのお誘いは嬉しいんですけど、自分コ、コミュ障で……」
「そうですか……」
そう明らかにしょんぼりしながら答えた夕凪さんを見て焦った夏樹は、いつの間にか口から言葉が溢れていた。
「そ、それじゃあ夕凪さんのチームが今度の大会で1回でもチャンピオン取れたら、その……コラボを受けます。」
「本当ですか!?」
「う、うん……や、やっぱり何か目標とかあった方が、頑張れるとも……思うし」
「分かりました!じゃあ私いっぱい練習して、チャンピオン取れる様に頑張りますね!」
「が、頑張ってね……」
そう言って通話を終えた、俺は勢いよく椅子から崩れ落ちた。
「またやっちまったー!!!俺の馬鹿野郎!!!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます